ビンテージ、いやヴィンテージか。すっかり定義も曖昧となり、「あらゆる中古」に対しても使われる新しい言葉になりつつある。 特に若者たちに対してヴィンテージの刺さり具合が強い。日本やイタリアの友人の子どもたちとも触れ合う機会が最近とても多いのだが、洋の東西を問わず、この「ヴィンテージ」の流行をひしひしと感じている。 TVでも若いタレントさんが古着を趣味としているケースなど、すっかり当たり前になったし、古いレコードやラジカセ、クルマやバイクなども大人気だ。 我々昭和のおっさんたちには、もはやノスタルジアでしかないけれど、一方で「やっぱりこっちのほうがいいや!」という部分も多々あるのは事実。 宝探しの感覚でいろんなお店を回ったりすることも楽しいが、何より、今ではすっかり世の中が画一的になったことに対する反抗のように、デザインや色合いが面白いものとの出会いが楽しいのかもしれない。 新しいものは良いも…
©Black Sabbath / Back to the Beginning オジー・オズボーンが亡くなった。 ハードロックやヘヴィメタルに興味のない方には、まったくもって関心外の話かもしれないけど、個人的な思い出があるので、少しだけ。 彼がどれほどロック界のあらゆる人達から愛されているかは、ネットの記事などをご覧いただければ、すぐに分かると思うので、ここでは割愛したい。 ハードロック、ヘヴィメタルというのは、聞き手を選ぶというか、ある種のマニアックさもともなうジャンル故に、ポップス的なメジャーな認知というのはとりわけ日本においては希薄かもしれない。それでも彼の死が日本のTVニュースで扱われたときには少々びっくりした。 私のオジー体験は1982年、彼がブラック・サバスという名門バンドのフロントマンを解雇された後、失意の中からソロとして復活した頃。 最初は、ちょっと「頭のいかれた感じ」のジャ…
最近ランチアの記事が続く…。個人的な好みで申し訳ないのだが、それでもコレッツィオーネのお客様の大半はランチア好きという事実にも基づいているので、しばしお付き合いいただきたい。(未確認情報) さて、デルタやイプシロンがランチアネタの定番なのだが、一月ほど前、実に久しぶりに関係者を集めた発表があったが、なんとそこには「ガンマ」の名前が…。 初代は1976年にデビューしたピニンファリーナ製ボディをまとった美しいセダン&クーペ。極めてスタイリッシュな内装とあわせて、非常に印象的なクルマでした。 はじめてイタリアに行ったとき、到着したトリノの空港の駐車場で見かけたブルーのガンマクーペは、今でも脳裏に焼き付いています…。つまりランチア好きには、結構刺さる一台というわけです。詳しい人なら名画ゴッドファーザーIIIにもチラッと登場するのでご存じの方もいるかも知れません。…
1984年製のランチア・ラリー 037ストラダーレが、アメリカ・カリフォルニア州モントレー郡で8月中旬に開催される「ペブルビーチ・オークション」に登場するらしい…。 わずか207台しか製造されなかったうちの1台で、残存数を考えるともっと少ないであろう。このランチア・ラリー。この個体の特筆すべきは高いオリジナル性で、走行距離も、わずか13,000kmに届かないほど。発売後40年以上経過してこの走行距離ですから、箱入り娘だといえるでしょう。 この「ストラダーレ」は、史上最も称賛されたラリーカーの一つである「ランチア・ラリー 037」の公道仕様モデル。グループBにおけるホモロゲーション取得のために生産されたこのクルマは、いわばランチアのラリー活動のタニマチ、もしくはコレクター向けの車種という立ち位置。ちなみにこの個体には、整備記録や工具キットも付属するというので、世界有数のコレクター…
今年の2月に映画公開された「機動戦士ガンダム」の最新作「機動戦士Gundam GQuuuuuuX(ジークアクス)」。いまやTV版も大変な人気なのでご存じの方も多いと思う。 個人的にはいわゆるガチオタではないにせよ、一応初代のガンダムはきちんと履修はしたクチで、ガンプラと呼ばれる前のプラモも買ったことがあるし、物語もキチンと頭に入っている。 とはいえ、45年ほど前の子供時代の話で、その後も人気抜群でいろんなバリエーションがあるのも知っていたが、わざわざ映画館に足を運ぶということまではしていない。 ところが、「今回のは結構すごいよ」と同業者から聞いていたので、まあ制作を生業としている立場としてはチェックは必須であった…。 なんて感じで足を運んだ映画版。内容と構成は、後に始まるTV版の先行版という立ち位置。実際、興行は大成功だったようだが、観に行った後は、続きが気になって仕方なかった。 なんなら…
Bollito Misto vol.311 間が悪いと言うか、タイミングが悪いと言うか…。 長年の夢が叶い、不遇の時代を乗り越えついに復活を果たそうとしていたランチアが再び苦境に陥っている。 すでに何度もここでお知らせしているように、復活ランチアの狼煙として新型イプシロンの発表がなされたばかり、イタリア国内でも160店舗のショールーム改装も終わったところだ。 ところが、すでに皆様御存知の通り、欧州は不況真っ只中であり、そこに来てやや高級路線の小型車たるイプシロンの価格帯が悪い方に作用しているようで、スタートダッシュを決めたいところに25年1−2月期でわずか2208台という結果にとどまっている。 気になる価格だが、ハイブリッドで23,900ユーロ、フルEVで29,900ユーロ。 旧モデルが20,000ユーロだったから、のっけからきつい勝負になることは見えていたのだが…。 実際の中身、つまりプ…