
Bollito Misto vol.311 間が悪いと言うか、タイミングが悪いと言うか…。 長年の夢が叶い、不遇の時代を乗り越えついに復活を果たそうとしていたランチアが再び苦境に陥っている。 すでに何度もここでお知らせしているように、復活ランチアの狼煙として新型イプシロンの発表がなされたばかり、イタリア国内でも160店舗のショールーム改装も終わったところだ。 ところが、すでに皆様御存知の通り、欧州は不況真っ只中であり、そこに来てやや高級路線の小型車たるイプシロンの価格帯が悪い方に作用しているようで、スタートダッシュを決めたいところに25年1−2月期でわずか2208台という結果にとどまっている。 気になる価格だが、ハイブリッドで23,900ユーロ、フルEVで29,900ユーロ。 旧モデルが20,000ユーロだったから、のっけからきつい勝負になることは見えていたのだが…。 実際の中身、つまりプ…

Bollito Misto vol.310 ついにプジョー208GTIが出る。長らく噂されてはいたものの、一向にその日は来なかったのだが、ついにである。CEOのアラン・ファヴェイが正式に復活を宣言したので、ついに現実のものとなる。 正式にはe-208GTI。21年の308GTI生産終了以来となるので4年ぶり。 E-CMPプラットフォーム、つまりABARTH 600eと同じパワートレインになるだろうが、プジョーらしい味付けになることは間違いないだろう。 やはり走って楽しいフランス車の筆頭ともいえるGTI。 いよいよ真打登場というわけだ。 205GTIの洗礼を受けた世代なので、2シリーズ(こんな言い方しないか?)のGTIが出るのは個人的にも非常に楽しみ。 最近では205GTIのレストモッドなども話題になっていたので、さすがに本家も動いたということなんでしょうかね? テクノロジーに頼らない、体幹…

Bollito Misto vol.309 あのF40が再び現れる?? 40のあとにも50だのなんだのと、いろんな特別風味のフェラーリが登場しているわけだが、今度は今年からフェラーリF1に移籍した、現役最多勝ドライバーのルイス・ハミルトンが、現代のテクノロジーを用いつつもF40の正当後継的な一台をプロデュースするのではという噂があがっている。 実際彼がメルセデスで無双状態を誇ったときに「AMG Oneのスペシャルモデルを作りたい!」と言っていたので、この手の話がでてきたのかもしれない。 まあ、もちろんマラネロはそれなりの実績をスクーデリア・フェラーリで残してからでないと決して許すことはないとは思うが、実現すればちょっとだけ嬉しいかな。 忘れもしない1988年のF40が登場した際、得も言えない興奮があったことを強く思い出す。 出た当時はまだテスタロッサや328がラインナップにあった頃なので、…

Bollito Misto vol.308 欧州、それも車好きの間で、粋人といえば元FIAT会長、ジャンニ・アニエッリと相場が決まっている。(完全なる個人的意見です。) ファッション、ライフスタイル、生い立ちから業績、すべてに「カッコいい」という言葉がふさわしい欧州社交界の人気者。 渋沢栄一も偉いだろうが、カッコよくはない。(これまた個人的意見、ルッキズム多少アリ) ボタンダウンシャツを、ボタンを外して着こなすとか、腕時計がシャツの上からとかいろんなファッションミーム的なものも有名ですが、とにかく、クルマを着こなす感じがすごくカッコいいのです。 まったくもって何様なのかわかりませんし、一体何目線なのかは全く不明ですが、なかなかこういう人はでてこない。 そんな彼の往時の愛車たちが、なんと今年4月のRMサザビーズオークションに出品されるという。 70年代初頭にコモ州のカロッツェリア、イントロッ…

Bollito Misto vol.307 「慮る:おもんぱかる」 よくよく考えて、相手のためになる仕事をする…。という意味なわけだけれども、この言葉をちょっと聞かせたい大企業がいる。 まもなく開幕する今年のF1グランプリの目玉の一つは、現役で史上最多勝を誇るルイス・ハミルトンのフェラーリ移籍でしょう。 たしかに旬を過ぎたかもしれないハミルトンですが、それでも昨年は非力と言われたメルセデスで勝利を収めるなど、ベテランらしいウマさもみせてくれています。キャリアの有終を飾るための移籍でしょうが、そりゃドライバーなら誰だって跳ね馬のシートにおさまりたいはず。 最近公開されたフェラーリF1のチャンネルでも、彼の少年のような無垢な喜びに満ちた瞳を見ることができるが、ああ、やっぱりフェラーリってすごいんだなと改めて思うわけですよ。 新しい黄色いヘルメットなど、やっぱり彼のフェラーリに対するリスペクトを…

Bollito Misto vol.306 ロベルト・バッジョといえば、イタリアが誇るファンタジスタ…。 そのへんで頷けるのは、90年代のサッカー。いや、カルチョ全盛期のイタリアサッカーに詳しい人しかピンとこないかもしれない。 日本で例えるのは難しいのだが、ゴリマッチョが多いサッカー界において、ちょっと線が細く見えるものの、観るものを酔わせるエレガントで想像力あふれるプレーで沸かせた稀代の天才でした。 そんな彼の全盛期。イタリアの名門ユヴェントスに在籍していた1993年に、欧州最高のプレーヤーに贈られる「バロンドール」を獲得したのですが、その時のお祝いに当時のフィアット総帥ジャンニ・アニエッリからWRC6連覇を成し遂げたばかりのランチア・デルタ インテグラーレEVO2が贈られたのです。 当時のEVO2にあったジャッラ・ジネストラという黄色の外装。室内は通常版のアルカンターラではなくイタリア…