Bollito Misto Vol.258 ランチア推しが止まらない私なのだが、前回の新しいランチアのコンセプトカーPu+Ra HPEのHPEの意味についてちょっとウンチクを述べたいと思う。 HPEとはHighPerformanceEstate の頭文字をとったアナグラム。 いうなれば、ライトバン(死語)だけど高い性能を誇るという意味だが、この初代が登場した1970年代にはそのようなコンセプトを持った車はほぼなかった。 70年代FIAT傘下に編入されたランチアが、満を持して発表した高性能小型車であるベータシリーズ。その中で登場したのがランチア・ベータHPEだった。 流麗なクーペのボディをワゴン化した、航空戦艦みたいなフォルムに当時の少年達は胸を踊らせた。(私を含む極少数だが…。) あれもこれもできちゃう感が、当時のラジカセやラテカセ、テレビ電話などと同じ感覚で「正義」とみなされ…
Bollito Misto Vol.257 こちらでも個人的に騒いでいた「ランチア復活」アルアル詐欺とまで言われていた古豪の復活が、思ったよりは早い始動を見せていて、本国でも驚きとともに歓迎されている。 日本がGW真っ只中の5月初頭。久しぶりに本気開催となったイタリアはミラノのデザインウィークにて、ランチア復活の旗印となるPu+Ra HPE(プーラ・アッカピイ〜読みづらいったら…。)がお披露目された。 すでにYouTubeなどでご覧になっている方もいると思うが、これぞコンセプトモデル! という気合の入れっぷりが素晴らしい。 担当者がそれぞれランチアの遺伝子をどう散りばめたかなどを語っているが、ファンの贔屓目を考慮しても結構カッコの良いプレゼンテーションだと思う。 色、佇まい、目指しているポイントなど、とてもランチアらしくかつ、他とは明らかに違う存在感を表明していこうという意気込…
Bollito Misto Vol.256 「炎上」昨今、この言葉を見ない日がないくらいよく目にする。目にするというからweb上での話だ。 失言、悪態、まあ、いろいろあるけど、とにかくすぐにいろいろ騒ぎ立てる。 それもこれも、誰彼と無く「発信」できるようになった世の中のせいに違いないのだが、 それにしてもいい加減「うるさい」感じになってきているのは私だけだろうか? 「あいつが、こんなこと言った」 「あんな人だとは思わなかった」 まあ、もうそろそろどっちでもいいんじゃないか? そう思ってしまう。 ネットが今ほどあたりまえでなかった20年以上前。誰がこんな醜い世界を予想できたろうか? まあ、たしかに「そんなこと言わなきゃ良いのに…。」って思うときはある。 でも、同時に 「そんなことわざわざ教えてくれなくてもいいのに…。」と思うことも多いのが事実じゃないだろうか? 炎上そ…
Bollito Misto Vol.258 実はアウトモトレトロだけではない。 イタリアでは最大規模を誇る秋のノミの市、アウトモトデポカも今年はパドヴァではなくボローニャで開催される。 移転の理由…。それは両者とも、会場費の金額でもめたのが原因。 まあ、パンデミックの間中干上がっていた連中が、ここぞとばかり回収にまわるわけだから、それは仕方ないのだが、今回はすべての人々があまねく干上がっていたので、ない袖は振れぬというのはまさにこのことだったのだろう。今年が第40回という記念だったアウトモトレトロとしても、苦渋の決断だったに違いない。 例年なら、トリノに顔を出し、その週末にパリのレトロモビルという黄金リレーができたのだが…。 今年からそれがなくなってしまったわけだ。 以前から、ここでも語っているが、地域性こそがノミの市のキャラクターを決定し、特徴ある商品に出会えるのが醍醐味。 トリノには名…
Bollito Misto Vol.258 長かった…。ついにという感じで、久々の欧州渡航だ。 思えば2020年の2月。日本でようやくコロナの存在が取り沙汰され、例のクルーズ船での隔離云々というのが話題となったあの頃、ちょうど無人のパリ・シャルル・ド・ゴール空港にいた私は、まさかこれほどの長い間パンデミックの猛威にされるとは思ってはいなかった。(みんなそうだ) この20年でこれほど飛行機と疎遠になったことはなく、久々のフライトにちょっとワクワクしたのもつかの間、飛行機が北に頭を向けた時点で「うーん、なんか違う…。」となった。 アタリマエだが、飛行機は最短距離を結ぶからこそ高速移動手段なわけであって、件のロシア・ウクライナ問題からロシア上空を避けつつ欧州へ向かうという不便を味わうこととなった。 昭和の時代、海外旅行と言えばアメリカ! ニューヨークに行きたい奴らはアンカレッジ経由! なんて思っ…
Bollito Misto Vol.257 2035年までに欧州の自動車メーカーが内燃機関の製造を中止する…。 そんなニュースが聞かれて久しいが、今度は「やっぱ、あれ無理…。」というちゃぶ台返しが話題になっている。 欧州委員会で乗用車および小型商用車の新車CO2排出料をゼロにし、ハイブリッド車を含むガソリン車の販売を事実上禁止し、電気自動車や燃料電池車への移行を促す…。 というのが、EU加盟国と22年10月に合意した内容だった。 ところが、BMW社長の「いや、でもぶっちゃけEV一本にすると、値段高くなりまっせ…。」という昨年秋頃の発言以来、今年の2月くらいからドイツ勢が「e-Fuelとかはいいんじゃね?」と主張しはじめ、案の定、すぐにイタリア勢が「そーだ!そーだ!」となった次第。 世の中「EVがこれからの主流だ!」 てな論調が強いが、実際にクルマを使い倒しているヒトたちから、そんな声が聞か…