イタリアよもやま話〜Bollito Misto vol.59

      イタリア好きが嵩じてついにはフィレンツェに移住までしてしまったCollezioneイタリア特派員Noriによる、「イタリアよもやま話」。

 

      ちなみに「Bollito Misto」とはいわば「ごった煮」のこと。

 

      自動車、自転車、食事にワインやサッカーはもちろん、たまには真面目な社会的な?お話を勝手気ままにお届けします。

 

 

 

 

 

 

 

sochi-logo早いもので2014年も残すところあとわずか。
オリンピックがあったり、サッカーのワールドカップがあったり、細胞ができただのできないだの、火山が爆発したり、何回も飛行機が行方不明になったり、実にイベント盛りだくさんの一年だった。

フィレンツェはといえば、本当に雨の多い、元気のない一年だった。

 

 

そんな中、久しぶりに日本の年末を満喫することになった。
懐かしさ半分で、思い立って都内を流していると気づくことがある。
銀座などの繁華街には、世界の観光地よろしく中国の皆さんがたくさんいらっしゃった。デパートなどは彼らの快進撃は相当なもので、少しでも肖りたいと思ったくらいだ。
しかし、それよりも気になったのは、最新の高級車に混じって、60年代〜90年代初頭くらいまでのいわゆる「旧車」が街中で目立っていたことだ。

 

 

 

 

 

 

100 ANS ALFA ROMEO À BALOCCOここ数年、すっかりワンボックスと軽自動車、ハイブリッドづくしの日本の道路だが、年末だからなのか、赤い跳ね馬など珍しくもなんともなく、白い猛牛系の団体が青山通りを疾走していたり、いい感じのアメ車が六本木をぶっ飛ばしていたり、はたまた70年代のセリカなどの日本車や、60年代のコルベットを颯爽と乗りこなすおっさんがかっこ良かったり、カニ目にトラ4、ロータスヨーロッパ。ピカピカのW123、W124あたりのメルセデスや、60年代カブトムシ、初代パンダにジュリアTi…。
枚挙に暇がないほどの、実に多くの旧車のオンパレードに少々面食らった。

 

 

クルマ好きだから、こうしたものに目が行くのかとおもいきや、ところがどっこい、周囲の若い子たちも興味津々、目も釘付けだった。
誰だ?若者のクルマ離れだなんて言っているのは?

testarossa中でも、若い人が運転する最新の458スパイダーに信号で並んだ、ロマンスグレーの紳士が運転するピカピカのテスタロッサはカッコ良かった。思わずしびれてしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

やっぱり、クルマってのは、こうじゃなきゃダメだ。
伊達で乗るのがクルマ好き。仕事で乗るだけならただの交通手段。
最新のクルマは本当に高性能になった。誰もフェラーリは12気筒じゃなきゃダメだなんて言わなくなった。
イギリス車なんて事実上消滅しちゃったし、フランス車も日本車と変わらないほどフツーになった。
自分のお金で乗るなら、やっぱり好きなモノに乗りたい。
周りが「素敵!」と褒めてくれるようなクルマに乗りたい。
それがたとえ「変態!」といわれるような個性的なものでも構わない。

 

そして、賛否両論聞こえてくるアベノミクスだが、少なくとも海外から久しぶりに帰った身としては、十分に景気が回復していると言わざるをえない。
少しでもクルマで冒険できるなら、今こそ個性的だった頃のクルマに立ち返るのは、むしろおしゃれなんじゃないだろうか?
2015年がクルマ好きにとって幸せな一年であることを祈りたい。
がんばりましょう!

 

 

 

 

 

それではまた来年!

Tanti auguri a voi. Buon Anno.