Vol.201 その名もクーペ

今回は少々クーペフィアットのお話を。

クーペフィアットは当初1,800&2,000ccの、いわゆるランプレディユニットとよばれた名エンジンを搭載したFIAT TIPOベースの2+2クーペ。今や大人気のデルタインテグラーレをはじめ、155やランチアデドラなどにも搭載されている、FIAT定番のツインカムエンジンだった。

 

当時所属していた雑誌編集部で長期リポート車としてそうそうに導入されたクーペフィアットの印象は鮮烈で、当初の写真で見た姿よりはちょっとズングリとしていけれど、いまでこそ珍しくない、60年代を彷彿させる外装パネル同色のインパネなど、さすがはピニンファリーナ! なんて思わせる出で立ちと強烈なトルクステアが印象的な一台だった。

 

 

やがて、ランプレディユニットと別れを告げ、5気筒のFIREバージョンに進化。20バルブ、最後には6MTまで装備されて、よりパンチのあるクルマへと変貌したのだが、今思い返しても非常に個性的なクルマだった。

そんなクーペフィアットの1.8リッター版で実走行1900キロという驚くべき個体がeBayに出品されている(いた)。希望落札価格は18000ユーロ(234万円)だったが、日本での価格を考えればバーゲンだ。ただ、今のイタリアでは受けないんじゃないかなあ…。なんて思ったり。
というのも、この20年くらいはわりと価格が安定していたことと、先にも述べた結構なパンチから、東欧諸国の若い子達に結構人気があって乗り潰されてるケースが目立ったのだ。

 

 

つまり今回のような「本来のデートカー」としての艶っぽさが亡くなっているケースがほとんどだったので、ちょっとした話題になっているというわけだ。

 

 

 

ちょっとうろ覚えなのが恐縮なのだが、当時の広報資料に、イタリア車といえば、FIATといえばクーペ。その歴史をひもとく…。的な紹介があった記憶がある。
124や128、130などにもクーペは存在していたし、スパイダー同様クーペ(現地ではクペーと発音する)ってのは、イタリア車のアイコンであったりする。

 

様々なタイプの旧車がもてはやされる昨今だが、今一度このクーペフィアットにも再び注目が集まるだろうか?

 

それではまた近々…。

 

A prestissimo!!