ランチア・デルタ・インテグラーレ、ルノーサンクターボ、BMW E30 M3が1000万クラスに仲間入り。
現在、精力も財力もという点から見ると、いまアツい世代は40代〜60代なわけだから、この時代のクルマたちの人気が出るのは仕方ないにしても、いよいよこの80年代後半組が大台を超えてくるとなると、なんとも言えない感慨がある。
これまでご紹介したショーでの中心となるクルマたちの人気をざっくりと言うと、60年代、70年代前半、50年代、そして戦前というような順序になる。
戦後の爪痕がある50年代に比べ、60年代は材質などの向上もあり、また現在のようにコスト概念がないので、非常に品質の高い工業製品が目白押しだった時代。また、テクノロジーもそこそこ進化し、現在の使用にも耐えうる物が多い。
縦目メルセデスしかりナローポルシェしかりである。そしてイタリア車のルネッサンス的なデザイン百花繚乱時代、つまりはスーパーカー時代に入るのだが、残念ながら70年代前半にして暗黒の石油ショック時代に突入してしまう。
ここの読者なら記憶にあると思うが、排ガス規制などによる「去勢」が進んだのもこの時代。技術的にも未熟な時代に加え、試行錯誤で作られたクルマが多く、特に70年代中盤以降のモデルは何かとトラブルが多い。
ようやく技術の進んだ80年代なかば以降、F1、ラリー、ツーリングカーなどのレースも活況を呈し、上記のような近代レジェンドが生まれたという経緯がある。
80年代後半に青春時代を過ごしたのが40代〜50代。パリのレトロモビルの「グループB回顧展」などはその活況ぶりを見るに、ランチアやプジョー、アウディなどこれからまだまだ人気が出るものがあるかもしれない。
出たところで、タマがもうないし、価格だって…。ただ一点すばらしいのは、こうしたブームによって、多くのレストアがなされたり、パーツのリプロダクションが進んでいるということだろうか。
クルマにロマンがあった時代の産物がこれからも生き延びることができるということだろう。
それではまた近々。
A prestissimo!!