1950年代の夭折の人気天才自動車レーサー、マイク・ホーソーンのフェラーリが5日、パリで行われた旧車イベント「レトロモビル」内で行われる最近話題のオークション「Artcurial Motorcars」で競売にかけられ、自動車オークション史上最高額の3200万ユーロ(約41億7000万円〜税込・手数料込)で落札された。
このフェラーリは1957年製の「335Sスパイダー・スカリエッティ」。同年の仏ルマン24時間耐久レースでホーソーンが使用したもので、落札者は米国人だという。
マイク・ホーソーンは、1953年にフェラーリワークスチームの一員として参戦し、第5戦フランスグランプリで初優勝。
伝説のチャンピオン、ファン・マヌエル・ファンジオを相手にマッチレースを繰り広げ、最終ラップの最終コーナーで逆転するという見事な勝利を飾る「ランスの名勝負」の当事者である。ちなみにこれは当時最年少優勝記録(24歳)であり、イギリス人として初の優勝でもあった。クルマのヒストリーに華を添えるネームとしては文句なしのものだ。
しかし、40億円を超えるとなると、もはやこれは完全に美術品のレベルに自動車が達したことを意味する。
昨年のこのコーナーでも触れたが、アラン・ドロンがかつて使用していた61年製フェラーリ・カリフォルニアが1628万ユーロで落札され大きな話題をさらっていたばかりだったが、どうやらこの流れは本物だ。
それにしても、ここに来て自動車史上最高額を大幅更新とは本当に恐れ入る。
ちなみにこれまで自動車に付いた最高額は、62年製のフェラーリ「250GTO」が2014年に記録した2890万ユーロ。
こうなるとこのアートキュリアルのオークションはレトロモビルの新しい目玉になることは間違いないどころか、ますます箔を付けたことは違いない。
お分かりの通り、旧車の価値は上がる一方。これはひとえに現行車種の体たらくもあると思うのだが、やはり人の心を打つプロダクトにはなんにせよ共通点がある。
必ずしもブランドネームや馬力じゃないのだ。
ちなみに、おなじみのこのクルマも17万ユーロ(2200万円)を超える値段だった…。
どこまで加熱するんでしょうかね…。
それではまた近々。
A prestissimo!!