Vol.016 ニッポンのカワイイ

is_japan_cool日本はクールだ、日本はカワイイ。
確かにイタリアをはじめ、フランスやドイツなど多くの国々で日本のクリエイティブやキャラクターがそう評価されている。もちろん、クールジャパンの例をあげるまでもなく、日本人も多くの場合海外からそう思われていると信じ込んでいる。

 

信じ込んでいる?
ちょっとネガティブに聞こえてしまうかもしれないので最初に断っておくが、クールなものとカワイイものを十把一絡げにしてしまっていて、逆に痛々しい行動が見え隠れするところがあるということを指摘したい。

基本的に海外におけるカワイイの位置付けは「おかしなもの」が起源。理解を超えた新しい何かに対する表現としてカワイイが浸透したことはあまり知られていないだろう。

ぬいぐるみなどに近いキティちゃんなどは理解しやすいので浸透しているが「カワイイ」ではなく、もっとクラッシックに「可愛い=キュート」な感覚が強く、今の「カワイイ」の範疇には入らない。

 

 

 

 

 

 

COOL_JAPAN-red2現在多くのガイジンたちが口にする「カワイイ」とはどちらかというと「凄い」の女性版とでも言おうか、ともかく驚きに限りなく近いものであることを強調したい。
例えばゴスロリ。いかにも欧州起源な感じがするが、その実態は全くの日本オリジナルである。日本人が大好きな「◎◎風」というやつだ。金髪碧眼の彼の国の女の子たちは、こぞってゴスロリコスプレを所望する。

 

 

 

 

 

 

 

クールもしかり。

確かに伝統工芸や神社仏閣などの人気は、そのデザインセンスに惹かれてのことだが、これとて一般的なものではない。かなり日本びいきな人たちが勉強した結果、評価してくれて訪問というケースが多い。誰もが京都の竜安寺石庭で感激しているわけじゃないのだ。

 

 

 

 

 

彼らは、「なんでこんなに目が大きいの?」とか、「普通壁が金箔だなんてありえない!」とか、「せっかくのお庭が石中心。それが水や宇宙を表してる?」といったありえない発想にびっくりしているのだ。

確かに、日本人は可愛らしい物を作るのが得意だとは思う。しかし、各国いろいろな好みがあるので必ずしもデファクト・スタンダードというものはない。動物系のキャラが国境を超えて人気があるのも頷ける。ちなみに以前にも触れたが、イタリアやフランスはもとより、多くの国々で日本のアニメ(含む漫画)が大人気だ。

 

 

 

 

ramuそれは日本のアニメだからということではなく、面白いストーリーありきの評価なのだ。その証拠に高橋留美子の「うる星やつら」などは、SFコメディとはいうものの、典型的な日本の学園を舞台にした内容なのだが、彼らは何の不思議もなく物語やキャラクターを愛している。

 

 

 

 

 

 

 

いわゆるちょいワルおやじ(死語?)が、ワインを片手に「ラムちゃん最高」とか言うのだから、最初のうちは正直戸惑った。(ちなみに70年代生まれのイタリア人男性の7割以上がラムちゃんのファンだという)

 

彼らはどこまで言っても個人の才覚、センスを国境人種別け隔てなく評価する。こうした感覚こそがスタンダードなので、わざわざ我々日本人から「クールとかカワイイ」で十把一絡げにすると、それこそセンスを疑われてしまうのだ…。

 

日本の、いや日本人の持つ類まれなるクリエイティビティは今も昔も世界的な評価を受けている。だから、COOL JAPANとか自分で言わないで欲しい。(少なくとも海外在留邦人はそう思っている)
せっかく彼らが評価してくれているのに、これじゃあまりにかっこ悪くないだろうか?

それではまた近々

 

 

A prestissimo!!