Collezione TV
2015年4月6日

ランチアがその存在自体を危ぶまれて久しい。 フィアット(クライスラー)グループの総裁、マルキオンネ氏のアメリカ式経営の概念にすれば、ランチアはただの売りにくいブランドになってしまっているのか…。 彼に追い出された形になった、イタリア、いや欧州きっての人気者ルカ・ディ・モンテゼーモロがフィアットグループの総裁についた時、彼が出した新聞広告にはランチアのエンブレムが中心を飾っていたものだ。 イタリア国内、いや本場トリノでもイプシロンやデルタを見かけるケースはどんどん減っており、ランチスタとしては非常に悲しい現実に直面している。             華美でない高級車。 その概念は今の時代にこそふさわしく、本来ならランチアこそがその本命としてスポットライトを浴びるべき存在だが、その役割はすっかりとアウディに奪われてしまって…

  「嘘が現実に…。」 4月だ。 日本では新会計年度の初日。日本では何かと「新しくなる」日であり、暦の上では、祝日でもないのに殊の外重要な日であったりする。 あとは花見、花見、花見。あまり無理をせぬよう、肝臓をケアして欲しいものだ。       実は40年近く前の1976年4月1日はアップルコンピュータ社の設立だったり、東京証券取引所が設立された日だったりする。もっと地道な情報だと、岩倉具視の500円札に代わり、500円玉が登場したのも今から33年も前の今日。電電公社がNTTになったのがちょうど30年前の今日。             日本初の商用検索サイト「Yahoo Japan」のスタートですらもう20年近く前の1996年の今日だし、クルマがらみだと、通称「ハイカ」ハイウェイカードが廃…

2015年3月26日

「コックピットを考える」 当然のことだが、クルマを運転する者にとって、コクピット周り、つまり操作系こそが一番付き合いの長い部分になるわけで、その機能、すなわち視認性や操作性の高さを求めるのは当然のこと。 じゃあ、それさえ良ければデザインはどうでもいいかというと、必ずしもそうではない。クルマは所有する喜びも兼ね備えるものだから、コクピットというのは外観と同等かそれ以上に重要だといえる。 今のクルマのコクピット周りは、計器類こそ大きな変動はないものの、使い勝手という点では大きな進歩がみられる。いかに目線を動かさずにより多くの情報を手に入れるか…。 とまあ、小難しいことはこの辺にして、機能も重要だが、要はカッコよさが求められる部分であるのは間違いがない。というわけで、今回はシトロエンのコクピット周りに触れたい。   「DS/GS/CX/BX/XM」 ジョルジェット・ジウジア…

「Torinoといえば…。Part 2」 これまでのトリノは、有り体に言えば渋くて通好みのクルマが 安く買える蚤の市だったが、これも昨今のマーケット変動の波をモロに受けて、随分と勝手が違った。   具体的には3割は値段がアップした車両本体がその最たる例。 また、人気車両に関連するアクセサリーやマニュアルなどの高騰っぷりが目立つのはパリと同様。 もう一つ残念だったのは、人気車両にあげつらわれた物件が、事前に取引されるからか、ほとんど市場に出てきていなかったのだ。                 それでも、多少はあまりお目にかからないクルマがあるのでご紹介したい。       「Dino 208GT4」1974 2リッターNA、マウロ・フォルギエーリ技師の手になる、あのV8シ…

「Torinoといえば…。」 レトロモビルの翌週、イタリア車、フィアットやランチアの故郷、北イタリアはトリノの街でこれまた旧車のショーがおこなわれた。 アウトモトレトロ。その名も直球、車と二輪の旧車蚤の市。 特に渋いイタリア車本体やパーツの売買がおこなわれることで有名だった…。     「だった。」というのも、やはりここトリノもパリと同様、昨今の異常なマーケットの動きを反映していたのは明らかに明白だったのだ。 入場まで30分近くかかったのも、これまでの「市」と明らかに異なる何かを示していたのかもしれない。                 さて、トリノといえばFIAT。そのFIATの旧本社&工場であるリンゴットと呼ばれる建物は、今ではショッピングモールやホテル、こうしたイベントをおこなう場所と…

「Retromobile 3」 レトロモビルの魅力は、なんといってもパリという街で行うということに尽きるだろう。 パリという街の引力はいつの時代も強力で、たとえそれが2月の厳冬期だとしても霞むことはない。そもそもパリって街は何かこう、ディズニーランド的な「楽しげな空気」に溢れている。私はフランス語は二言三言しか喋れないし、そもそもかつてはつっけんどんだったフランス人に、思わず身構えてしまうことすらあった。 しかし、それでもなんとなく道行く女性が素敵に見える感じとか(完全なる色メガネ)、カフェでグダグダしている姿すらオシャレに見えてしまう感じとか、とにかく何か楽しいのだ。     フランス料理など、正直3日続けて食べられたら思わず拍手したくなるほど、それはそれはボリュームとパンチがある食事であり、当地で日本食がブームなのも頷けるほどの「重さ」がある。それでも、何か得も言え…