クルマはジドウシャである。 しかし、それはコミューターやモビリティという言葉に変換できるのか? それとも依然としてブーブーなのだろうか? フランクフルトモーターショーなどのいわゆる新車ショーと、レトロモビルやエッセンをはじめとした欧州旧車ショーを見比べて思うことだ。 劇的に進化した燃費性能は、クルマを利用するすべての人にとって益をもたらすものだが、一方でクルマという物質の存在や価値じたいを高めたかというと、少なくとも趣味の範囲からはYesとは言いがたいのではないか? テクノロジーの進化により運転そのものの負担が相当に下がったことは紛れもない事実だし、そうした技術がちょっとでもお気に入りのクルマに活かせればどんなにいいことだろうと夢想することも多々ある。 …
しばらく間が空いてしまったが、エッセンのレポートの続きを。 ポルシェの高騰ぶりは今に始まった事ではないのだが、それでもこの2年少々の出来事。 確かに50年を経てもかなりのクォリティを持つ個体が多く、また乗って楽しい事からも十分にその価値のある車とはいえるだろう。 それ以外にも総じて高値が付いていたエッセンであるが、多くのイタリアンも例外ではなかった。 もはやピッコロと呼ばれる事もなくなった308/328などの8気筒モデルも軒並み高値安定。一時は100万円台まで値段を落としたモンディアルシリーズまでもが、便乗値上げにまんまと乗っかる始末だ。なんともはやである。 アルファやアバルトなど「いかにもイタリア」というクルマは高値安定。 …
欧州最大の旧車イベントと言われる「エッセンテクノクラシカ」に行ってきた。 イタリア在住としては10月のパドヴァがある種の定番なのだが、ゲルマン系北方の方々にはパリのレトロモビルかエッセンかというほどメジャーなイベント。 規模感でいうとやはり最大。もちろんかなり以前から販売される車両本体やパーツの価格も「高い」と言われ続けていた。昨今の欧州での旧車の盛り上がりはここでも散々お伝えしてきたが、この2月にパリで行われた「レトロモビル」でも、41億円という恐ろしい値段での取引が成立するなど大盛況だった…。 その意味でもどうしても行きたかったイベントだっただけに、久しぶりに胸高鳴るドイツ訪問となった。 イタリアとは違い、なんとなく整然…
甚大な損害をもたらした東北の震災から早くも5年が経過したわけだが、実はイタリアも火山国であって地震があるのをご存知だろうか? 実は昨年末のクリスマス時期に、規模こそ小さいとはいえ、フィレンツェで3日間で250回という「嫌な地震」にみまわれていたのだ。 そもそも中南部イタリアは地震が割と多い地域で、最近では生ハムで有名なパルマ周辺のレッジョ・エミリアで大きな被害が出た。 それでも日本、とりわけ関東地方に暮らす人間にとってはとるに足らないほどの地震なのだが、日本のような耐震構造や免震構造の家屋ではないのでダメージはそれなりに出てしまうというわけだ。 ただ、今回は尋常ならざる群発地震なので、フィレンツェが産んだ天才、ミケランジェロ代先生のあの世紀の名作「ダヴィデ」像が倒壊の恐れというのだからおだやかではない。 &…
皆さんにとってのコーヒーとは? 一抹の清涼剤であり、リラックスのおとも? 世界でもこんなにコーヒーが簡単に飲める国は日本を於いて他にないとは思うが、イタリア生まれのエスプレッソは日本のみならず世界中で大人気コーヒーのひとつである。その名が示すように「バッと出して、バッと飲める」エクスプレスなコーヒー。それがエスプレッソだ。 イタリアでは以前ほどではないにせよ、各バールではそれぞれの味を大切にしていて、おばあちゃんやジジイどもがうるさく若者たちにエスプレッソやカプチーノの淹れ方を教えていたものだ。イタリアでいう「カフェしようぜ!」には、実はいろんな意味がある。 ちょっと一服という気分転換もさることながら、折いった話をするときや、近隣住民の安否確認やら井戸端会議やらの重要な情報交換のための場所であり、街角の寄り…
つい先ごろイランの大統領ハッサン・ロウハーニがイタリアを訪れた。 イランは言わずと知れたイスラム国家で、大統領もイスラム教徒だ。 それがカトリックの総本山バチカンを訪れたのだ。 政治的な話は別として、彼らムスリムがイタリアを訪れる際の最大の問題は、数々のギリシャ&ローマ時代の彫刻の数々である。 イタリアの重要な建物の中には、ふんだんに彫刻や絵といった芸術に満ち溢れている。 ご想像のとおり、中でもこれら彫刻のほとんどは、男女ともに一糸まとわぬ姿が多く、公の場で女性の肌をさらすことが禁忌となっているイスラム教徒にとっては、まさにタブーの巣窟。 しかし、それでも少しでも多くのイタリア芸術を堪能してもらおうと、今回は大統領が訪れる場所の女性彫刻を白いボードで囲うという前代未…