Collezione TV
2016年1月12日

デヴィッド・ボウイが亡くなった。 69歳。ガンだそうだ。最近はロックレジェンドの高齢化が進むものの、思いの外の長寿化に無警戒だったが、まさかのスターが急逝した。           彼がどんな功績を残し、どういう影響を与えたのかはWikipediaなどでお調べいただきたい。今回は個人的な趣味が強すぎるとは思うが、あえてファンとして彼の死を偲びたい。 わかりやすく言うと、とてもイケメンでとてもセンスの良い生粋のロックスター。詩人とでも言おうか。ロックが「ロック」であった時代からのレジェンドという名が相応しい存在の一人である。 彼の名作は枚挙に暇がないが、中でも表紙の写真である「HEROES」という作品は有名な一つで、アルバムのタイトルチューンは今でも欧州のTVCMに使われるほど人気の定番である。     この作品のジャケッ…

謹賀新年! 今年も皆様が健やかで楽しいカーライフがおくれるようお祈りするとともに、ますますコレッツィオーネをご愛顧いただけますようお願い申し上げます。   さて、拍子抜けするほど暖かな新年を迎えた日本だが、同じく暖冬の欧州では、今イタリアが贅沢な悩みに苛まされている。例年ならば秋から冬にかけてそれなりの量の雨が降るのだが、昨年はその様相が一変。全国的に晴れ続きなのだ。         晴れが続いて何が悪い?一昨年2014年は一転長雨続きでオリーブオイルが大打撃。それに比べれば天国のはずなのだが…。(事実15年のオイルは大豊作!是非お求めくださいね。)             そんな太陽の国と言われるイタリアだが、長く雨が降らないと今度は大気汚染、つまりスモッグの発生が際…

2015年12月28日

2015年。 思い返せばなかなか物騒な一年だった。 フランス・パリの新聞社襲撃にはじまり、たくさんの旅客機が墜落(含む撃墜)され、最後はまたしてもパリの無差別テロ。 それにしても、やれ空爆だやれ報復だと実に騒がしい一年だった。           何度となくこのコーナーで、日本人が思っている以上に世界は不穏であると言ったわけだけど、残念なことにこうして日本に漏れ聞こえてくる様々な事件からも、それが現実であるということはおわかりいただけたと思う。                 欧州最大、いや世界最大級の自動車メーカーの不祥事にしても、実はこういった重大事件の一端なのは言うまでもない。すべての物事はすべからくつながっているのだ。 2016年が良き年であることを祈っ…

巨星墜つ…。   消滅に比べればマシとはいえ、ついにイタリアプロダクトデザインの砦、ピニンファリーナがインドのマヒンドラに買収される。2008年ごろからピニンファリーナ一族の経営放棄、受託生産からの撤退など、この現実がある程度予期できたこととはいえ、ついにイタリアからカロッツェリアが消えてしまった。     このコーナーで再三書いているが、日本で考える以上に欧州の不景気は深刻だ。 累損が5700万ユーロ(実に70億円以上)だったとのことだが、それ以前に多くのクルマからピニンファリーナのエンブレムが消えて久しいのを気にしている方も多かったはずだ。   ピニンやフェラーリ、フィアットの知り合いに聞いても、昨今の自社デザイン移行というのはコスト面でも致し方ないという意見でまとまっていたが、とはいえ、なんとかして欲しかったというのが本音。実に残念…

  なんだか小難しいお題だが、師走に入り、そろそろ一年を振り返るような精神状態に入ってきたので、日本と欧州(まあイタリアだが)との「物の考え方」の違いについて触れてみたい。                 会社に期があるように、学校にも学期があるように、世界共通な時間の単位や期間の概念はもちろん日本もイタリアも同じである。 が、長引く不況や人の幸せ、不幸せ、贔屓のチームの低迷や快進撃など、いわゆる好不調の波といった運気のような、漠然とした時の流れに対する感覚は日本とイタリアでは大きな差がある。   意外と思われるかもしれないが、楽天家と思われているイタリア人の方が日本人よりも負の連鎖の時のメンタルが強い気がする。こと、長引く不況などに対しては割と寛容的というか、「いつかは晴れるさ!」的なケセ…

クルマという概念がかわる 大げさな話だけど、クルマは個人のものであり、趣味のものであり、ある種のペットであり相棒である。少なくとも昭和の人たちにとってはそのはずだった。 しかしながら2000年代以降、昨今のエコブームなどを経て、多くのメーカーさんが目指してきたのはそうしたクルマたちの製造ではなく、「悪者ではないクルマ」づくりを謳って久しい。     二年に一回の東京モーターショーも閉幕。さまざまな思惑が伺える各メーカーの出し物だったが、誰に対してのクルマを作るのか? という部分で相変わらずの迷いが見え隠れしていたのも事実だ。         大都会に暮らす人間以外にとっては、相変わらず生活の重要なツールとして活躍するクルマだが、「地球にやさしい」だの「継続可能な社会を目指して」などと耳障りの良い言葉を並び立ててきたツケが「自動車離…