振り返るとここ最近、やたらと旧車の価格高騰にばかり触れているが、やはりこのコーナーの性格上どうしても触れざるを得ない話題なのでご容赦いただきたい。 前回も予告したようにここは昨年2016年の北イタリア、パドヴァで毎年行われている旧車イベント「アウトモトデポカ」のレポートだ。 ここ1,2年の傾向として、とにかく希少性の高い車に高値がつく傾向にある。それはレーシングモデルしかり、戦前のモデルしかりで、とにかく手に入らないクルマにこそものすごい値段がついている。 市場原理からもそれはそのとおりなのであるが、完全にアートの域としてとらえられつつある旧車たちは、春のエッセンよりもさらにその色を濃くしていた。 わかりやすい現象といえば、来場者の多くがバイヤーと思われる人たちが急増しているということだ。 &…
高い高いと風評のように最近の旧車価格を煽るこのコーナーも、そろそろデータをお見せするべきと判断したので(遅い?)、2016年の大物番付を発表したいと思う。(ちなみにいずれもオークションでの落札価格) ¥で表示すると気が滅入るので、各自その日のレートで電卓をはじいてほしい。 いかに狂った価格が飛び交っているかがわかるはずだ。 第一位 Ferrari 335 Sport(1957) – €32,075,200 第二位 Jaguar D Tyoe(1955) – €19,274,336 第三位 Alfa Romeo 8C 2900B Lungo Spider Touring(1939) – €17,552,123 第四位 Ferrari 250GT Spider California LWB Competizione(1959) –…
これまでにも何度か紹介してきた北イタリア、ヴェネチアのそばにある街パドヴァで行われる旧車イベント「アウトモトデポカ」に行ってきた。 2月のフランス・パリのレトロモビル 4月のドイツ・エッセンのテクノクラシカ そして10月のパドヴァが欧州の三大旧車イベントと言えると思う。 いずれもそれなりの歴史があり、昨今の旧車価格高騰と相まって盛り上がりを見せている。 一時期はネットの普及もあり、レアな部品の価格が高騰し、イタリア生活の楽しみの一つである「蚤の市」感が薄れてしまうという側面もあったが、それを補って余りある旧車ブームにより多くの人でにぎわうようになっている。 …
新年あけましておめでとうございます。 今年も皆様のカーライフが豊かであることを祈りつつ、政治や技術など様々な変革の年にもなりかねない2017年をなんとか生き抜いて行きましょう! このコーナーも、昨年のパリサロン、そしてイタリアはパドヴァのイベントなどについてもリポートしている最中でしたが、今年はまもなく東京オートサロン、そして、昨年から始まったオートモビルカウンシル、そしてさらには奇数年なので東京モーターショーがあるなど、日本の自動車イベントも目白押し。 自動運転やら、電気自動車だのと「本当にそれってクルマの価値の本質なの?」というような相変わらず消費者置いてきぼりな感じの日本の自動車業界ですが、トランプ大統領…
前回に引き続きパリサロンのお話を。 かつて5大モーターショーと呼ばれたパリサロンも、日本の東京モーターショー同様Aショーと呼ばれたその座を中国のモーターショーに奪われている。 AとB、具体的な違いは、ショーに各メーカーの役員が来訪するか否か。これが実は大きな違いがあることは想像に難くないだろう。市場原理主義なのでそれは仕方のないことなのだが…。 さて、そんな政治の話はさておき中身に触れたい。 基本は新車の発表会場なわけだが、毎回そのトレンドというのは変わっていく。 ドイツをはじめとするユーロ規制の煽りを受けた欧州自動車界にとってEVへの転換は急務。もちろんドル箱市場である中国もそのユーロに準じているわけだから、各社がEVに対する動きを見せるのは当然のことである。 殆どのコンセプトカ…
少し前になるがフランスのモーターショー、パリサロンへ行ってきた。 パリサロンという響きがなんとも素敵な感じだが、実際、「あのパリ」で行われる自動車ショーなので、ショー自体もさることながら街を楽しむという意味でも、毎度毎度わくわくしてしまう。 別に何がというわけではないのだけど、とにかくパリという街はアガる場所であることは間違いない。 そうした理由からか、周辺諸国からも奥さんや子供を連れてやってくるケースも多く、会場の男女比もなかなか拮抗している。 今回は不景気とテロにまみれたパリだったので、やや盛り上がりに関してはそこそこ心配していたのだが、なんのなんの、いよいよ上向き感が垣間見れるような人出で大いに賑わっていた。 街のそこかしこに機銃を持った軍人が警備しているのだが、そのせいかスリなどの軽犯…