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はじめてのクルマ。 はじめてのイタ車。 確かに、他ならぬ思い入れもあった。もはやいろんな思い出だってある。 だけど、せっかくのカッコイイ車をこのままぶざまな姿で乗りたくない…。   そして悩み抜いた挙句、清水の舞台から飛び降りる決心のついた若者に待ち受けていたのが、あまりに残酷な死刑宣告ともいえる冷たいお言葉の数々。 まるで一縷の望みをかけて飛び込んだ病院で、ブラックジャック先生に「治してやるが、5,000万円だ!」って言われた気分である。           いち日のうちに度重なった、泣きっ面にハチともいえる災難の数々。 閉まらないドアを運転する恐怖を皆さんは御存知だろうか? シートベルトでドアを縛りながら運転する不安さを果たしてご想像いただけるだろうか?     人間追い詰められると、なんでもす…

そんなにX1/9で引っ張って良いのか?と思いながらも、せっかくなので続けたい。 前号ではかつてのイタ車アルアルである、塗装を剥がしてみると鉄がなかったというところまでお話した。       そう。フロントのかなりの部分が腐っており、事実上パテ(充填剤)のみで形成されていたのだ。まあ、購入価格を考えれば仕方ないと自分を慰めつつも、間違いなくその事実に直面した日からというもの、いろんなことが手につかなくなった。                 いっそ、プロに頼んでレストアするか…。         当時多くの欧州車のレストアで有名だった板金屋さんがあったので、そこにまずはあたってみた。すると。      …

自分はなぜイタリア車に乗っているのか? ポルシェに乗る友人に引け目を感じたことも、スカイラインGTRがすごいと思ったことも、蛇のマークの赤い車が羨ましいと思ったことなど一度もない。じつに哲学的な理由から、もう一度なぜX1/9に乗っているのかを考え直すきっかけがあった。   大事にメンテをして、納車のころからすると比較にならないほど調子よく、軽快に走ってくれるX1/9を洗車しているときにふと思ったのだ。 「塗装が良ければコイツはどんだけカッコイイのだろう…。」                 本国にはLidoなるオシャレなスペシャルバージョンがある…。 初期型に戻す改造がイカしている…。 よく見ればやっぱりニキのX1/9は初期型じゃないか…。 菊池武夫がF…

買う前に勉強すべきだったのだろうが、購入前に少しだけ引っかかっていた「ニキのX1/9との違い」について真剣に考えるようになってきていた。もちろんハンドリングはピカイチだったのだが、いくら1500のシングルカムとはいえ、実にトロかった。とにかく遅かった。最高速こそ、じっくり待てばそれなりの速度が出たが、スポーツカー然としたその姿からはまったくもって期待はずれの俊足ぶりだった。 CGをはじめいろんな本を読んでも、まあ、そんなに悪いことは書かれていないX1/9がヨーロッパ仕様と日本に入っていた北米仕様では見た目もエンジン性能も全く違うということに、ほどなく気づいたのだ。少なくともわたしの美的センスには初期の1300の方がかっこよく見えたし、10%も排気量が少ないのに、欧州仕様のオリジナルが馬力が上ってどういうこと?と疑問をもつようになった。     そう、私のエックスワンナイ…

2017年8月30日

イタリア車っぽくない黒く、それもいまでこそ当たり前なマットブラック塗装(もちろんクリアが飛んでしまい、表面はガサガサになっていただけの天然マットブラックだ)のイカしたシャープなデザインのエックスワンナインはかくしてマイ・ファーストカーとなった。(写真は当時まだ新車で手に入ったベルトーネ名義のX1/9)         1170mmと世界屈指の低車高。ウエッジシェイプの直線的なデザイン。 3969mmの全長に1570mmというスリムな車幅。   つまり小さいクルマだ。ツーシーターだから当然だろうが、それにしても小さいクルマだった。ダンプトラックの隣にいくと、それこそ下をくぐれそうな勢いの小ささだったが、ミドエンジンのために空いたフロントには巨大なトランクスペースがあり、その後の故障対策のための様々な部品や工具が難なく収まった。さらに、エンジン…

あまりにもバブリーなクルマの話ばかりなので、一度は原点に戻ってみようと思う。 実に恥ずかしながらわたしの最初のクルマについて書きたいと思う。     イタリアに移住するほどのカブレ野郎なので、これまで自分で購入したクルマでイタリア車を絶やしたことはない。それだけは自慢だ。というかバカだ。きっと。       さて、はじめて購入したクルマとは。 ニキ・ラウダが広告に出ているこのクルマ、大好きなベルトーネのマークの入ったクルマ。マルチェロ・ガンディーニのデザインしたクルマ。なによりイタリアのミッドシップというキラーワード。 そしてこのクルマがあったから後にイタリアにまで足を運ぶはめになった。 そのすべてのはじまりがフィアットX1/9だった。             プアマンズフェラーリ…