そんなにX1/9で引っ張って良いのか?と思いながらも、せっかくなので続けたい。 前号ではかつてのイタ車アルアルである、塗装を剥がしてみると鉄がなかったというところまでお話した。 そう。フロントのかなりの部分が腐っており、事実上パテ(充填剤)のみで形成されていたのだ。まあ、購入価格を考えれば仕方ないと自分を慰めつつも、間違いなくその事実に直面した日からというもの、いろんなことが手につかなくなった。 いっそ、プロに頼んでレストアするか…。 当時多くの欧州車のレストアで有名だった板金屋さんがあったので、そこにまずはあたってみた。すると。 …
自分はなぜイタリア車に乗っているのか? ポルシェに乗る友人に引け目を感じたことも、スカイラインGTRがすごいと思ったことも、蛇のマークの赤い車が羨ましいと思ったことなど一度もない。じつに哲学的な理由から、もう一度なぜX1/9に乗っているのかを考え直すきっかけがあった。 大事にメンテをして、納車のころからすると比較にならないほど調子よく、軽快に走ってくれるX1/9を洗車しているときにふと思ったのだ。 「塗装が良ければコイツはどんだけカッコイイのだろう…。」 本国にはLidoなるオシャレなスペシャルバージョンがある…。 初期型に戻す改造がイカしている…。 よく見ればやっぱりニキのX1/9は初期型じゃないか…。 菊池武夫がF…
買う前に勉強すべきだったのだろうが、購入前に少しだけ引っかかっていた「ニキのX1/9との違い」について真剣に考えるようになってきていた。もちろんハンドリングはピカイチだったのだが、いくら1500のシングルカムとはいえ、実にトロかった。とにかく遅かった。最高速こそ、じっくり待てばそれなりの速度が出たが、スポーツカー然としたその姿からはまったくもって期待はずれの俊足ぶりだった。 CGをはじめいろんな本を読んでも、まあ、そんなに悪いことは書かれていないX1/9がヨーロッパ仕様と日本に入っていた北米仕様では見た目もエンジン性能も全く違うということに、ほどなく気づいたのだ。少なくともわたしの美的センスには初期の1300の方がかっこよく見えたし、10%も排気量が少ないのに、欧州仕様のオリジナルが馬力が上ってどういうこと?と疑問をもつようになった。 そう、私のエックスワンナイ…
イタリア車っぽくない黒く、それもいまでこそ当たり前なマットブラック塗装(もちろんクリアが飛んでしまい、表面はガサガサになっていただけの天然マットブラックだ)のイカしたシャープなデザインのエックスワンナインはかくしてマイ・ファーストカーとなった。(写真は当時まだ新車で手に入ったベルトーネ名義のX1/9) 1170mmと世界屈指の低車高。ウエッジシェイプの直線的なデザイン。 3969mmの全長に1570mmというスリムな車幅。 つまり小さいクルマだ。ツーシーターだから当然だろうが、それにしても小さいクルマだった。ダンプトラックの隣にいくと、それこそ下をくぐれそうな勢いの小ささだったが、ミドエンジンのために空いたフロントには巨大なトランクスペースがあり、その後の故障対策のための様々な部品や工具が難なく収まった。さらに、エンジン…
あまりにもバブリーなクルマの話ばかりなので、一度は原点に戻ってみようと思う。 実に恥ずかしながらわたしの最初のクルマについて書きたいと思う。 イタリアに移住するほどのカブレ野郎なので、これまで自分で購入したクルマでイタリア車を絶やしたことはない。それだけは自慢だ。というかバカだ。きっと。 さて、はじめて購入したクルマとは。 ニキ・ラウダが広告に出ているこのクルマ、大好きなベルトーネのマークの入ったクルマ。マルチェロ・ガンディーニのデザインしたクルマ。なによりイタリアのミッドシップというキラーワード。 そしてこのクルマがあったから後にイタリアにまで足を運ぶはめになった。 そのすべてのはじまりがフィアットX1/9だった。 プアマンズフェラーリ…
夏休みも終盤、お盆も過ぎ…。と言う割にはおかしな天気が続く日本。 みなさまいかがお過ごしでしょうか? 世界的に夏休みな感じなのですが、海の向こうアメリカはフロリダのモントレーで、高級車でおなじみRMサザビーズのオークションが開かれます。 今年はフェラーリが70周年なので、それにあわせた「便乗」取引が各所でみられますが、これは間違いなく今年のイベントになるでしょう。ちなみに以下のフェラーリたちは「いち個人」のコレクションからの放出だというのだ。 <価格はUSドル> 1961 250GT SWB berlinetta 予想価格8,500,000-10,000,000 1967 275GTB/4 Scaglietti …