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1971年の欧州カー・オブ・ザ・イヤーを獲得した、近代ミニFFファミリーカーの元祖の一つ! そんな大げさな紹介ができるクルマであり、90年代初頭まではうなるほどイタリアの街角を埋め尽くしていた国民車である。 日本でもシビックの復活が話題となっているが、まさにそういった位置づけのクルマだった。実は以前にもこのコーナーで127には触れているのだが、こうしたちょっと古いものブーム的な流れの中で巻き起こった「127復活論」についてだったので、今回はその魅力について少々。             そもそも、127なんて知らないし見たことないし、買えないし…。なんてお声が聞こえてくるでしょうが、まあ、そういわずにお付き合いください。   専門的、歴史的な話はwikipediaなどを参照するまでもなくネットに転がっているの…

ショックである。 何がって、そりゃサッカーW杯にイタリアが出ないことがである。     日本人だし、イタリアの血も入っていないが、4年に一回、ギャーギャー騒ぐネタになるW杯。実のところ阪神ファン同様(失礼があったら申し訳ない)、ちょっとダメなところを自虐的に責めたりするのも楽しみのW杯。 期待していないとか言いながら、その実横目で試合経過を気にするW杯。 PK戦になると、本当に怖くて見られなくなる人が続出するほど、内心は気になって仕方がないW杯。 そんなイベントからイタリアが消えた。来年のW杯で彼らを見ることもできなければ、こうしたソワソワも味わえない。 残念すぎる。   2006年のドイツ大会以来、世代交代がうたわれて久しくも、 結果的には軸となるような若手もいない状態が10年以上続いた。   それでも相変わらずの勝負強さで、実力以上ともいえる結果…

  欧州が難民・移民問題に揺れている。 シリアをはじめとするさまざまな要因で発生した戦災難民。これはこれで誠に不憫極まりない話なのだが、イタリアではちょっとした問題が発生している。 「なりすまし難民」     不景気真っ只中の欧州になだれ込む感覚がまったく理解できないが、それでも藁にもすがる思いでギリシャやイタリアに難民たちが押し寄せる。 彼らは国際法にもとづき保護され、各国で住居や安寧な生活を一時的ではあるが保障されている。     しかし、イタリアで見聞きするおかしな光景がある。 とても身なりの良いアフリカ系の若者たち。イタリア語はしゃべらない。しゃべれない。かつてはティッシュや花、生活小物を売り歩いていた、およそ怪しげな彼らとは程遠い、大変豊かな感じのする若者たち。日がな広場で仲間と集い、スマホ片手にのんびり飲み食いしながら過ごす。そ…

引き続き高値が続いているビンテージカー相場だが、ここに来て、やや沈静化の傾向がみられるようだ。 つい先日、バティスタ・ピニンファリーナのためにワンオフで製作されたフェラーリ275gtbが八億ちょいでオークションで落札された。 三、四年前なら倍くらいはいったのかもしれないなんて言われているが、50年前の中古車が億だなんて、普通に考えればすごいことだ。もはや量産品(これはワンオフだが)としてはありえない価格に突入し、アートの領域にさえ入ってきている。   現在の兆候としては、すでに誰もが知っているような有名なクルマは誰かの手に収まり、ここ数年は長期在庫もしくは、オーナーの逝去からの相続というパターンが増えている。あと、レースカーも多く取引されているのが興味深い。         実際、クルマに興味のない子孫が受け継ぐよりは、こうした形で現金化さ…

2017年12月10日

池田専務率いる池田自動車の100%の善意と好意で生まれ変わった私のX1/9は、どこに出しても恥ずかしくない、それはそれは美しいクルマに生まれ変わった。           懸念材料だった走りも、紆余曲折あり、やれ面研(シリンダーヘッドを研磨することで圧縮率を上げる作業)やら、ピストン交換やカムシャフトの変更などもその後のプランに上がっていたが、レストア後メキメキと調子を上げるアメリカ仕様のX1/9は、何かの恩返しのように調子を上げており、足回りやマフラー交換といった堅実な改造と、基本に忠実な整備でかなり生き生きと見違えるような走りを手に入れた。     とにかくその卓越した走りに心の底から惚れ込んだ。   走行会だ、旅行だで、ほうぼう遠征もした。 いろんな峠道を走った。 どこのホテルに泊まっても褒められた。 子…

はじめてのクルマ。 はじめてのイタ車。 確かに、他ならぬ思い入れもあった。もはやいろんな思い出だってある。 だけど、せっかくのカッコイイ車をこのままぶざまな姿で乗りたくない…。   そして悩み抜いた挙句、清水の舞台から飛び降りる決心のついた若者に待ち受けていたのが、あまりに残酷な死刑宣告ともいえる冷たいお言葉の数々。 まるで一縷の望みをかけて飛び込んだ病院で、ブラックジャック先生に「治してやるが、5,000万円だ!」って言われた気分である。           いち日のうちに度重なった、泣きっ面にハチともいえる災難の数々。 閉まらないドアを運転する恐怖を皆さんは御存知だろうか? シートベルトでドアを縛りながら運転する不安さを果たしてご想像いただけるだろうか?     人間追い詰められると、なんでもす…