Collezione TV

  BATMANの宿敵JOKER誕生の秘密を描いた映画が好調だ。 美しい映像と、若くしてこの世を去ったかの名優リバー・フェニックスの弟、ホアキン・フェニックスの名演とともに、この秋最大の話題をさらっているといえよう。 まあ、JOKERといえばBATMANなわけで、今回はBATカーと話題。   それも劇中で登場したBATカーではない。アルファロメオとベルトーネが50年代に空力を追求したモデルとして開発した、一種のアートマスターピースB.A.T.シリーズである。       BATの由来はBerlinetta Aerodinamica Tecnica、つまり空力技術クーペともいうべき、試作車たちである。 欧州のイベントや博物館ではポロポロと見かけることがあったが、今回、11/20-23に行われるロンドンのバークレースクエアでのイベントにBAT5…

先日イタリアで行われたオークションに、FIAT元会長にして欧州社交界の人気者ジャンニ・アニエッリ氏の所有していたFIAT PANDAが競売にかけられた。 そもそも、洒落者で有名な彼は、名だたる名車を自分用にカスタマイズするような人だったが、最近になってポロポロと下駄となるような車たちが漏れ出てきている。             有名どころではランチア・テーマ832のワゴンで、自らが運転するシルバーと、犬など道具を載せる用のブルーも特注で持っていた。 最近ではデルタインテグラーレEVO2やEVO1のオープン(ザガートボディ)などが、イタリアのクラブの展示などで姿をあらわしていたが、ついにFIAT PANDA 4×4(Trekking)までもが登場した。 落札価格はなんと予想を大幅に上回る37000ユーロ(およそ500万!)…

2019年10月13日

去る8月末、フェルディナンド・ピエヒ氏が亡くなった。 ポルシェ博士の孫にして、VWグループの総帥。御年82歳だった。   ここでドイツ車ってのもおかしな話かもしれないが、実はそんなことはない。 ランボルギーニやブガッティなど、名だたる名ブランドが今も存在し続けるのは、まぎれもなく彼のおかげ。 現在のAUDIがあるのも実は彼のおかげ。もっというと、今のポルシェのブランドだって彼のおかげ。初代VWゴルフがジョルジェット・ジウジアーロによってデザインされたのも、彼のイタルデザインが最近VWグループに売却されたのも、すべてピエヒさんが関係している。 詳しい話はカーグラフィックやその他専門誌でぜひお読みいただきたい。近代自動車業界における大物中の大物の一人なのである。       そんな大物が優秀な経営者なのはいうまでもなく、同時に厳しいことでも有名。私のよう…

2019年10月13日

いよいよパンダが生まれ変わる。 初代以降、モデルチェンジのたびに悪口を叩かれてきたパンダだが、 実際の使い勝手は常に向上してきていた。乗れば良い車だし、どの時代のモデルも生活のアシとしておしゃれに使えばオシャレになるという、実はよくできた車たちだった。   もちろん、初代のジウジアーロデザインの秀逸さに届いているかといえば、さすがに個人の好みの問題としか言いようがないが、そのかわり高速性能やエアコン、安全性能などは飛躍的に向上した。   そんなパンダがいよいよEVになる。まあそうでしょうね。世の中の流れとしては。 本国イタリアをはじめ、EU各国としては、EVであるだけで走行できる時間や場所が飛躍的に増えるので珍重される傾向があるが、一方でコストにみあうだけの利便性があるかというとまだまだ疑問視されている。   具体的には充電時間と走行距離である。やはりまだまだ…

ピンク・フロイドが大好きな私は、そのギターであるデイブ・ギルモアも大好きだ。 日本ではいにしえのプログレバンドとして有名だが、世界的には究極のビッグネームであり、いまだにさまざまなCMで使われたり、無数のコピーバンドが存在する。     私が高校生の頃、70年代初頭にリリースされたアルバム「The Darkside of the Moon」がBillboardのTOP100に400週を超えてランクインし続けていたりするような、ロックとして生きながら、すでにクラッシックに突入しているのではというようなモンスターバンドがピンク・フロイドなのである。     ここ数年、キーボードのライトさんが亡くなったりして、完全な形での再結成が不可能になってしまったが、いまだ活動しているギタリストのデイブ・ギルモア氏が、なんと彼のトレードマークであるギターをはじめ、すべ…

出版不況が嘆かれて久しい。 紙媒体だけではない、TVやラジオも、「今は世の中インターネットだからねえ」などと、弱腰な言葉ばかりが聞こえてくる。   かつて、ネット前夜の時代ではあったが、少なくともバブルのちょっとあとくらいまでのころは、オーソリティといわれる専門誌から、新しく刊行される雑誌まで、とにかく発売日が楽しみだったし、読めば「なるほど!」と唸らせられることしきりだった。でも、すべてが新しい情報ばかりだったかというと、決してそうじゃない。新鮮な食材だけが美味しい料理の秘訣なのではないように、やはりきちんと料理されたものこそが美味しいのだ。     暗に今の編集者を批判しているのかというと、そのとおりだ。     どの業界もみんながみんな殺伐としているかといえば、そんなことはないと思う。 例えば音楽雑誌。名門のSM社さんをはじめ、いまで…