Eがイイらしい

Bollito Misto Vol.240

実に昭和なタイトルだけど、実際イタリアでFIAT 500Eがブレーク中だという。

まずはドイツで大人気を博したこのチンクエチェントは、次いでイタリアでも街乗りの最右翼車種として注目を集めているという。
そもそも同クラスのEVにしては、そのフィニッシュやデザインが高く評価されていた500E。

イタリアにおける自動車というものは、実際のところ生活の基盤であり、完全なる足であるのが基本。
公共の交通機関が日本ほど発展していない欧州においては、やはり自動車がなければ生活は成り立たない。

ライフスタイルも日本とは異なり、生活に必要なモノを購入するためには、郊外にあるスーパーや家電量販店やショッピングモールに出かけるというのが一般的。二週間に一度とかの割合で食料品なども買いだめしている。

一方、週末は都市中心部に出かけ、イベントや老舗やハイブランドのウインドウショッピングを楽しむのが一般的だ。
こと有名都市に至っては、その多くが世界遺産のイタリアにおいては、排ガス規制や流入規制による縛りがとってもキツい。住人はETCの機会のようなモノを渡され、それにより走行可能箇所が決まってくるのだが、それでも時間や曜日規制があったり、うっかり間違えて侵入してしまうと多額の罰金をとられたりする。

事細かに侵入制限が敷かれている都市部

しかし、これがEVであると、「排ガス規制」に関しては免除されるため、多くのメリットが生まれるのだ。

だから、最低限の荷物が載せられ、週末の都心部へのアシとして考えると、狭い路地でも小さく動きやすく、かつ最小限ながらも利便性を損なわず、そしてデザインも程よくノスタルジーな感じの500Eが受けるのは当然かもしれない。

でも、それだけで売れ行きがグンと伸びるわけもないなと思ったら、きちんとからくりがあった。

条件こそあれ、なんと月々199ユーロで購入可能

理由は簡単。
販促を狙った大幅値下げだ。


当初35,800ユーロだった定価も、27,800にまで減額され、最も安い情報では26,100ユーロにまでなっている…。
(現在のレートで換算してみてください)

日本にも導入され、正直同クラスの競合を圧倒する、美しく品質感が評判の500E。

EVというと、すぐに未来感ばかりを出そうとするなか程よい味付けで、本質的な部分で魅力を発揮しているこのクルマは、ひょっとするとFIATの重要な一台になるのかもしれない…。

それではまた近々。

A prestissimo!!