283 モビリティ≠クルマ?

いつからか、日本ではクルマのことをモビリティと呼びたがる風潮が蔓延している。

このいつまでたっても耳になじまない言葉は「のりもの」という意味だが、正直広告代理店やムダに意識の高いメーカー担当者の自己満足でしかないことは、いまさらここで言うことでもないかもしれない。

結局のところ自動車であり、クルマなわけだ。いまさら呼び名を変えるムダに、小馬鹿にしたい感情が生まれても仕方がないと思うのだがどうだろう?
だいいち、言いにくいしね。モビリティだなんて…。

電気で動こうが、アブラで動こうが、クルマでいいじゃないか。わざわざ新しい単語出すなよなと本気で思う。業界内だけで言っていてほしい単語の最右翼だ。

まあ、それはおいておこう。

イイタイコトは、クルマってのは便利で頼りになる人間の心強いサポーターだってことだ。それが可愛ければ微笑ましいし、力強ければ必要以上に頼りになるし、速いのであれば、ともすると誇らしい。

よく言うんだけど、クルマってのは食べ物に似ていて、毎日食べなきゃいけない人もいれば、週末だけ楽しむ人もいる。毎日食べるなら飽きないけど、必要十分に腹を満たし、それなりの旨さがほしい。たまに食べるならごちそうっていう気持ちは理解できるし、時には罪悪感が湧くくらいのスペシャルがあってもいいだろう。

音楽のメガヒットや食べ物に「既存のもの以外の驚きの発見」がないように、やっぱり名作ってはそうは簡単に生まれない。

RollingStone誌の偉大なRock100選、みたいなことやってもおそらく結論にはたどり着かないだろうが、間違いなくFIAT Panda 141は上位にランクインする名車だろう。(欧州車でいうならだが)

いまだまだ、40年以上前にデビューしたクルマの話をするのはどうかと思うが、持った人がかならずと言っていいほど口にする「あれでいいんだよな…。」。

また、よく聞くのが「若い頃乗ってたけど、また乗りたいなあ」というセリフ。

なんでしょうね。

初めての合コンで隣がちょっとだけイケメン、可愛い子ちゃんだったときの、絶妙な高揚感がある。そんな感じがパンダにはある気がします。

で、乗ってみて楽しい。降りたら「あれでいいよな」と思わせるちょうど良さ。

パンデミック後のこの世の中にある「なんともいえない空気」それにピッタリくるのは、こういうちょうど良さなのかもしれませんね。

3390mmしかない全長なのに、シートを倒せば最新のSUV,Audi Q7よりもトランク容量が多かったり、およそ走れない場所はないくらいの走破性をみせる軽量なボディ。

イタリアやフランスのめざとい連中がこぞって買い求め、レストアしはじめている理由がわかります。そんなパンダもいよいよ新しいモデルがデビューします。さて、どんなちょうど良さを見せてくれるか楽しみですが…。

それではまた近々。

A prestissimo!!