民草のココロの声

ニューモデルの話題はどの国でも人気のコンテンツだが(日本は例外?)、イタリアの自動車メディアには結構な頻度で登場する、「妄想系」新車情報というのがある。

つまり、一部のマニアが思いあまって個人の嗜好前回で制作し、SNSにアップしたレンダリングデータをネタに記事をふくらませるというもの。

個人的には、こうしたゲリラ活動がやがてはショーモデルやデザインサンプルに昇華し、やがてはリバイバルみたいな流れというのが、実はなくはないのが欧州自動車業界だったりする。

その代表格がナンバー系フィアットである。
この20年ちかく、特にCGが手軽になったことでやたらと登場するようになったわけだが、この度、70年代初頭にビッグセールスを記録した、2BOXカーの元祖とも言えるFIAT127。

ノーマルの127すら復刻されていないのに、その中でもレアなモデルといえる127Sportの妄想系レンダリングが先ごろ取り上げられた。

小さく、便利で、走りが楽しい。
なにより気軽に使えながらもキラリと光るデザインも楽しめる。

©Angelo Berardino

俺達イタリア人、車好きは、こういうのが欲しいんだ!
という声が聞こえてくるじゃないですか?

©Angelo Berardino

実にイタリア車らしいクルマを望む民草のココロの声が、徐々に賛同を得ていく…。
こうしたムーブメントこそが自動車先進国な感じがします。


もちろん、こうした非公式レンダリングに対しては賛否両論ありますけども、そもそもカッコいいとか悪いとかそういうことではなく、こうした心意気に対して皆一定のリスペクトがあることこそが良いなと個人的には思っています。

それどころか、メーカーの一方通行の発信で、かつ決して販売しないプロトモデルばかり作っているの日本の自動車業界に、ぜひとも爪の垢を煎じて飲んでもらいたいところです。

せっかく86だ、スターレットだ、ブルーバードだサバンナだって、市井の人々は言ってくれてるわけですから、もうちょっと…。ね?

それではまた近々。

A prestissimo!!