河口まなぶ氏インプレッション!!

自動車ジャーナリストで日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

でもある河口まなぶ氏による

弊社商品車・アルファロメオ スパイダーのインプレです。

同型車種のご購入をご検討されている方は

是非ご参考にされてください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ALFAROMEO Spyder TS
車体色:ロッソアルファ 走行距離:29,000km 年式:1998年
排気量:1,960cc 5MT

 

 

長きに渡って生産されたアルファスパイダーの後を受けて、日本へは1996年1月に上陸を果たした2代目のアルファスパイダー。先代モデルがFRレイアウトを採用していたのに対し、このモデルでは同世代の他のアルファロメオのモデル同様に、FFレイアウトを採用したモデルへと転身を図った。また同時に、クローズドボディ版であるGTVがラインナップされていたことも、現在のアルファロメオを思えば贅沢なラインナップだったといえる。

 

今回の試乗車は1998年式。既に14年前のクルマなのだが、実際に向き合うとそれほど古い感覚を覚えないのはデザインの妙。しかも、それほどの月日を過ごして来たにも関わらず、走行距離が2万9000キロということも、さりげなく驚きの内容だといえる。
コンディションもなかなか悪くなかった。14年もの月日を経てここに在ることを考えると、極めてグッドコンディションと言って過言ではないだろう。

 

車両価格を聞くと、正直“本当に大丈夫なのか?”という想いが頭をよぎるのは当たり前。ただ、そんな想いを抱きつつ乗り込んで走らせた瞬間に思わず、「へぇ」とうなづくものがある。
まず、走り味が非常に軽快。車両重量は決して軽くない1400kg台にも関わらず、とても伸びやかな感覚が印象的だ。

 

 

 

 

 

 

 

装着タイヤやサスペンションの経年劣化などによる細かな振動等はあるものの、走りそのものは想像以上に活き活きとしている。
そして何より印象的なのが、2.0Lの直列4気筒ツインスパークユニットだ。
近年のアルファロメオは、意地悪な言い方をしてしまえば、かつてのアルファロメオのパワーユニットのようなオリジナリティは持ち合わせていない。時代の流れゆえそれは致し方ないことであるが、いま改めてこのツインスパークを味わうと、4気筒ながらも官能を覚えるフィーリングが全身に染みていくのをハッキリと感じ取れるのだ。

 

回転、反応、音、力感…あらゆるものが古き良き時代を感じさせてくれる。
現代のクルマに比べたら、その性能は高いとはいえない。

しかし、味わいという観点からすると、逆に現代のクルマとは比べ物にならない濃さが、隠そうとしても滲み出てくる。

 

全てが殺伐とした時代だからこそ、このアルファスパイダーで豊かさに満ちた甘い生活を味わうのは素敵なことだと思えるのだ。

 

 

 

 

 

※このインプレッションは当該車両の状態や性能を保証したり、購入時の責任を負うものではありません。あくまで個人の感じた印象を記しています