イタリアよもやま話〜Bollito Misto vol.8

イタリア好きが嵩じてついにはフィレンツェに移住までしてしまったCollezioneイタリア特派員Noriによる、「イタリアよもやま話」。
ちなみに「Bollito Misto」とはいわば「ごった煮」のこと。
自動車、自転車、食事にワインやサッカーはもちろん、たまには真面目な社会的な?お話を勝手気ままにお届けします。

 

 

 

 

 

 

 

暑い。暑すぎる。誰だ、冷夏だなんて言った奴は。ここフィレンツェは6月半ばなのに、ついに38度に!
もう仕事なんかやってられない。
なぜかって? エアコンがないからだ。こっちではエアコンつけてまで仕事をするのは粋ではないのだ。そう、海。海へGOなのだ。まあ、私は日本人なんで仕事ですけどね。言うだけです。言うだけ。

 

 

最近こそお店でエアコン付きってのが増えたが、そもそもイタリアには冷房好きが少ない。これが期せずしてエコになっている。

 

それを遅れているとか言うのはナンセンスだ。そう、イタリア人は自然を愛しているのだ…。もちろん地球のためにではない。自分たちが海や山で楽しめなくなるのがイヤなのだ。実に健全だ。

さて、今回は別段エコの話をするつもりは全くない。

 

 

それより、暑いと言ったら怪談である。というお話。である。
お化けや心霊話は日本の専売特許だろって?
欧州ならケルト神話だろって?

 

それはちと甘い認識と言わざるを得ない。
歴史ある都市にはやはり都市伝説がある。もちろん、イタリアにも、だ。

 

古くからの言い伝えに基づく、事実が「怪談」の根拠になっているから怖い。例えば京都などの古都でよく聞かれる首塚がどうしたとか、あの類がここフィレンツェで多く存在する。

 

 

 

フィレンツェはもちろん、中世から続く古い街には、まだまだ多くの貴族たちが住んでいる。貴族とは、永きに渡りその街に居を構える住人という言い方もできるので、「言い伝え」には全く事欠かない。

 

例えば、「あの一角ってどうにも嫌な雰囲気なんだけど…。」と言うと、「うーん、あそこは有名な暗殺通りだからなあ…。」とか、「あそこの階段、17世紀に有名な色恋沙汰の修羅場があって、彼女が旦那を突き落としたの…。」とか。

 

 
「眺めのいい部屋」(E.M.フォースター原作 / ジェームズ・アイボリー監督 1986年)など素敵なラブストーリーが多いフィレンツェではあるが、アンソニー・ホプキンスの名演で知られる「ハンニバル」という傑作ホラーも忘れてはならない。

 

 

 

 

 

 

ちょっと怖いエリアに入ると、40度を超える猛暑でも涼しくなることができる。(もちろん、できるだけそこは通らないようにしている)

 

 

なんていうかな、殺気に満ち溢れたところってあるんですよ。

 

それも、ガイドブックに乗っているような有名スポット近辺にね…。
フィレンツェにお越しの際は、素敵なロマンスと血塗られた歴史の両方を体感なさってください!

 

それでは、少々早い暑中お見舞いを申し上げます!

A prestissimo