イタリアよもやま話〜Bollito Misto vol.58

      イタリア好きが嵩じてついにはフィレンツェに移住までしてしまったCollezioneイタリア特派員Noriによる、「イタリアよもやま話」。

 

      ちなみに「Bollito Misto」とはいわば「ごった煮」のこと。

 

      自動車、自転車、食事にワインやサッカーはもちろん、たまには真面目な社会的な?お話を勝手気ままにお届けします。

 

 

 

 

 

 

 

例年より早い真冬の到来で、スタッドレスタイヤが気になる今日このごろ。
ところで、皆さんはそもそもタイヤにこだわっているだろうか?
タイヤの種別というより、これはあくまで銘柄はもちろん、サイズや各メーカーごとの特徴についての話をしたいと思う。

 

 

スタッドレスあくまで一般的な傾向の話なので、その信憑性を過信していただいても困るのだが、日本はことの外タイヤに対する考えが甘い気がするのだ。

 

 

 

素晴らしい高級車にもかかわらず、偏摩耗したものや、ろくすっぽバランスすら取れていないタイヤとリムのサイズ。にもかかわらず、その車の特性を評価したり、文句をつける向きが非常に多いのは一体どうしたことだろうか?

言うまでもなく、タイヤは路面と接触する唯一のポイントにして、すべての情報の源でもある。

 

 

 

 

 

 

Vogue22in車輌メーカーが指定するタイヤにはすべからく意味があり、安易なインチアップなどは本来なら絶対に避けるべき事だし、最悪クルマを痛めかねない。
また、昨今のブームでもある低抵抗エコタイヤも、その名の通り路面との摩擦を最小限にとどめ、転がりやすくしている。
季節柄気になるスタッドレスも、メーカーによってその特性は千差万別。

 

 

 

ついついグリップ力ばかりが取り沙汰されるタイヤだが、本来気にするべきポイントは非常に多岐にわたる。
乗り心地重々なのか、グリップ力が欲しいのか、とにかく長持ちすればいいのか…。せめてこの辺りの「リクエスト」は明確にしておくべきだろう。
また、日本の特性としてあまりにも空気圧を無視しすぎである。時々見かけるクルマをわざわざ止めて指導をしたことすらある。(さぞ、相手はビックリしたろうなあ)

 

 

pressuregageいっぽう、ドイツやイタリアやフランスといった国は、例えば中古車の売買などでもタイヤの残量に非常に敏感だ。
残り山何部などの表記は中古車価格を多少なりとも左右する要素である。

 

 

 

 

 

タイヤは専門店で交換するのが常識である彼の地では、やはりタイヤの専門家(もちろん、そのお店と縁の深いメーカーに偏る)のアドバイスが重要なキーとなる。
それでも、昨今の不景気にも関係しているのだが、近頃はホームセンターなどで中国や韓国製の激安タイヤが出回っているが、それでも決して安いからといって飛びついたりしない。
あくまで自分のクルマの性能と用途に合うものを厳しく選んでいる。

 

日本人は彼らに比べると神経質なほど車を大切にするが、こうした本質的な部分ではまだまだ無頓着だ。
日本のCSなどでも放映している英国の自動車番組などでは、こうしたタイヤの比較テストなどを結構おこなっている。
fifthgear近頃の人気のFifth Gearという番組では、低抵抗タイヤと中古タイヤ、4輪がメーカー混ぜ混ぜのでたらめな組み合わせでのマルチテストをおこなったりしていたが、これも興味深い結果が出ていた。
それだけ、彼の国の人々は足元の性能に敏感だったりするという証拠である。

 

実は性格がガラリと変わったりするので、タイヤ交換は本当に楽しみ。
安全はもとより、乗り味自体が変わるタイヤ交換をお試ししてみてはどうだろう?
ちなみに、彼らの実験によるとタイヤに窒素というのは完全なるプラシーボ効果でしかなく、科学的には全くの無意味らしい…。
皆さん安全運転を心がける前にタイヤのチェックを!

 

 

 

 

 

それではまた近々

A prestissimo!