イタリアよもやま話〜Bollito Misto vol.57

      イタリア好きが嵩じてついにはフィレンツェに移住までしてしまったCollezioneイタリア特派員Noriによる、「イタリアよもやま話」。

 

      ちなみに「Bollito Misto」とはいわば「ごった煮」のこと。

 

      自動車、自転車、食事にワインやサッカーはもちろん、たまには真面目な社会的な?お話を勝手気ままにお届けします。

 

 

 

 

 

 

 

時々海外で目につく、あまりにも曲解、誤解に満ちたニッポンというものがある。
それは、まあ、多くの場合が“自称”「日本料理」を謳う怪しいジャパニーズレストラン。
イタリアのみならず、欧州で日本食ブームが続いて長いが、ネットをはじめこれだけ情報が進む中でも、本質的な部分での「ニッポン」というのは、なかなか理解されないでいるようだ。やはり、この点においては、いつまでも極東の異端という感じを否めない。

 

 

そんな、日本を代表するものとしてアニメや漫画がことに有名だが、ことイタリアやフランスは特筆すべきレベルにある。80年代初頭に「マジンガーZ」や「グレンダイザー(イタリア名ゴールドレイク)」「キャンディ・キャンディ」、「ベルばら(イタリア名レディ・オスカル」や「アルプスの少女ハイジ」など日本アニメの薫陶を受けた世代とその子どもたちが、今度はいわゆるコミケに大集合するようになっているのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 


フィレンツェからほど近い美しい城塞都市ルッカ。そもそもはイタリア人の祖先といわれるエトルリア人が開いた街といわれ、ローマ時代には有名な会談などが開かれたり、かの有名な中世の音楽家プッチーニの生まれ故郷だったり、実はちょっとした「重要都市」だったりする。

 

 

 

 

 

 

 

周囲を取り巻く城壁は4キロほどしかなく、人口も10万人にも満たない小さな街なのだが、それがいまや毎年10月最終週から11月あたまにかけておこなわれる「Lucca Comics & Games」というイベントで、アニメやゲーム、日本好きの人たちにとっての重要都市になっているのだ。

 

さて、このイベント。
生来のコスプレ好きのイタリア人にとっては、いまや大変重要なイベントであり、いまやなんと38万人(2013年)もの人々が集まる一大イベントとなっている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ご覧のコスプレもさることながら、蚤の市的に出店される店舗数は15,000にものぼり、まさに無視することの出来ないレベルになっている。
なぜそこまで人気があるのだろうか?
常々不思議に思うので、一体どうやって詰め襟の学生服やセーラー服、あまりにも違う文化背景などどうやって理解しているのか聞いたことがあるが、彼らにしたら宇宙船のある未来も、四畳半ふすまに布団などという世界も、すべてファンタジーなのだと…。ま、確かにそうなんだが…。それよりも彼らにとって「日本人のクリエイティブな発想」というのがセンセーショナルらしい。

 

 

 

 

このように日本発のコンテンツを本質の部分で楽しみ理解してくれている一方で、冒頭のような「未だに」という感じのミスマッチが、まだまだ存在するのも事実。
このビジュアル。有名なアパレル「GUESS」のキャンペーンなのだが、なんともはや…。広告なので刺激がないといけないのは当然なんだが…。
ともかく、彼らにとって日本とは、かくも魅力的なところであることは間違いないらしい。

 

 

 

 

 

それではまた近々

A prestissimo!