イタリアよもやま話〜Bollito Misto vol.48

      イタリア好きが嵩じてついにはフィレンツェに移住までしてしまったCollezioneイタリア特派員Noriによる、「イタリアよもやま話」。

 

      ちなみに「Bollito Misto」とはいわば「ごった煮」のこと。

 

      自動車、自転車、食事にワインやサッカーはもちろん、たまには真面目な社会的な?お話を勝手気ままにお届けします。

 

 

 

 

 

 

 

Goodwood Festival of Speed
名前は聞いたことのある方も多いだろう。
平たく言うと、スピードと大きな音の出る乗り物の祭典である。
夏休みの直前(とはいえ欧州の話)、6月の最終週にイギリスはサセックス地方にあるマーチ卿の私有地内、とはいえ12,000エーカー…。東京ドーム何個分というレベルの土地で行われるこのイベントは、ロンドンモーターショーなきあとの重要な自動車イベントとしての役割も担っている。

先代から大の車好きであるご当家は、もともとここでちゃんとしたレースも行っていたのだが、現在のようなイベント形式になったのは93年から。以降、順調に客足を伸ばし、今年も土曜日のチケットなど早々にソールドアウト!で、今年は20万人超えは確実な勢いだった。
ちなみに入場料はなんだかんだで一日60ポンド(1万円)ほどする。高いと思うなかれ、その中身たるや車好きを裏切るものでは決して無い。そればかりか、スリやおかしなお客さんが来ないという点で、本当にいい感じの空気を満喫できるのも重要な要素だと思う。

 

 

 

 

詳しい模様は、正直お伝えしきれない。あくまで、ごく一部の話だと思ってお読みいただけると幸いである。
なにせ何度かここに訪れていても正直「見切った」ことがないからだ。
だから、詳しい情報は
http://grrc.goodwood.com/section/festival-of-speed
からご堪能いただきたい。(英語のみ)
映像もあるし、十分本気の度合いは伝わってくるだろう。

 

 

 

 

とにかく大きな会場のいたるところで様々なイベントが行われているので、まさに自動車関係のフェスという感じが満点のイベントである。
だから、正直会場に着くだけで、なんとなく幸せな気分にさせてくれる。
会場に近づくあたりからFM放送も始まったりするから、イチイチ盛り上がる。

加えて、走るクルマのすべてが「本気」であり「本物」なのだから、サーキットそばにいるだけでもそりゃ素敵な空気が楽しめるのである。
現役レーサーやレジェンドたちがその辺を歩いているし、この点ではF1やMotoGPの実際のレースに行くよりも「いい感じ」が味わえるかもしれない。

 

 

 

 

ちなみに今年はメルセデス特集。
そのためだけにメルセデスは安からぬ億単位のお金を投じるのがこのイベントである。

戦前戦後問わず、まさに本でしかその姿を見たことがないような歴史的GPメルセデスが爆音とともに駆け抜ける(音がほうぼうで聞こえる)イベントなど他にはない。
気が向くままにコース脇に出かけて、オイルの匂いとけたたましいサウンドとともに、こうした伝説を嗜むのは非常に車好きにとってはたまらない一瞬だ。

しかし、それをあえてせず、野っ原にノンビリと座りながらビール片手にエクゾーストノートを肴にできちゃうってのが、このイベントのオツなところ。
とにかく自由なのだ。

 

 

 

 

 

 

いわゆるサーキット以外にも山間ラリーコースもあり、そこをグループBカーが疾走したりする。服はもちろんカメラなどもホコリまみれになるのがなんとも本物ではないか。
ちなみに今年はポルシェのルマン復活もあったし、セナの没後20年ということもあり、ややレーシングカーへの比重が高かった気もする。

 

 

 

 

英国といえば、食べ物で苦労するのが通説だったが、ロンドン・オリンピック後は随分と味に対する取り組みも変わったのだろう、かつてのように悲惨な思いをすることもなくなった。

 

 

 

 

 

 

見尽くさず、楽しみをとっておける、また来年も来ようと思わせるイベント。
そんな感じだろうか? Collezioneさんでツアーでも組んでもいいのでは?

 

 

 

それではまた近々

A prestissimo!