イタリアよもやま話〜Bollito Misto vol.47

      イタリア好きが嵩じてついにはフィレンツェに移住までしてしまったCollezioneイタリア特派員Noriによる、「イタリアよもやま話」。

 

      ちなみに「Bollito Misto」とはいわば「ごった煮」のこと。

 

      自動車、自転車、食事にワインやサッカーはもちろん、たまには真面目な社会的な?お話を勝手気ままにお届けします。

 

 

 

 

 

 

 

遠いブラジルとはいえ、熱狂のW杯がついにその幕を閉じた。
サッカー王国のブラジルが、実は前評判通りほどだったとはいえ、誰があれほど完膚なきまでに叩きのめされると想像できただろうか?

 

 

 

当のドイツもあそこまで得点を重ねるとは思わなかったのか(ま、至極当然ではあるが)、直後のF1ドイツ・グランプリでは、ドイツ1得点ごとに11ユーロ割引(サッカーなのでイレブンだったんでしょうね)という特典があったので、ひどい目にあったそうな…。

 

 

 

しかし、それにしてもあれほどの大差が、サッカーの名門同士の戦いで生まれるとは
誰が想像しただろうか?
基本的に、というか当然のようにブラジル人というのは自国の代表、そしてサッカー自体に大きな自信を持っている。
イタリアにも多くのブラジル人が居住しているが、よく日本代表はコケにされてるので正直「ざまあみろ」がなかったとは言わない。

 

 

 

 

個人的にはブラジルとは縁が深いので、彼らが嫌いとかそういう感情はないのだが、正直イラッとくることがある。彼らは大勝するたび、我が世の春とばかり勝利に酔いしれるので、敗者に対する容赦があまりない。
そのあたりがイタリアとの大きな違いかも知れない。
意外にもイタリアは勝者にも敗者にも優しいのである。やはり負け慣れているということなのだろうか?
いずれにせよ、こういう「まさか」の時のために、人は驕ってはならないという教訓なのだろうか…。

 

 

 

 

それにしても今回の結果はまさに情け容赦なし。
あまりの無慈悲なドイツの戦いに非難の声も出たが、
彼らは胸を張って
「無慈悲? 手加減こそ相手に対する非礼であろう。それがドイツ流の礼儀なのだ。」
と言い張ったとか。
ちなみに、イタリアはドイツに強いのだ…。

 

 

 

 

ともあれ、この試合が今回のW杯のハイライトになってしまった。正直決勝の素晴らしい戦いが霞んでしまったことも事実だ。
ブラジル名物、ボサノバの名曲に「A Felicidade(フェリシダージ・幸せ)」という曲がある。
「悲しみに終わりはない。だが、幸せにはそれがある」
という歌い出しは、まさに今回のW杯を象徴するものになってしまった。

 

 

 

 

ブラジル人には気の毒だが、これは日本代表のショックを和らげるには十分なニュースだったともいえる。
やはりW杯はサッカーの試合ではない。国同士のプライドをかけた戦いということを再認識する必要に迫られた。

長らく続いたサッカーW杯特集はこれにて終了。
次号は英国の自動車バカの集い、Goodwood Festival of Speedについて。
それではまた近々

A prestissimo!