イタリアよもやま話〜Bollito Misto vol.3

イタリア好きが嵩じてついにはフィレンツェに移住までしてしまったCollezioneイタリア特派員Noriによる、「イタリアよもやま話」。
ちなみに「Bollito Misto」とはいわば「ごった煮」のこと。
自動車、自転車、食事にワインやサッカーはもちろん、たまには真面目な社会的な?お話を勝手気ままにお届けします。

 

 

 

 

 

 

 

この連休を海外で過ごされた方も多いかもしれません。
というわけで、ちょっと旅行とレンタカーにまつわるお話。

イタリア旅行される方におすすめしたいのが、やっぱりクルマによる移動。
美しい風景を楽しんだり、小さな町の地元料理を堪能したり…。イタリアを楽しむならクルマは必要不可欠なアイテムといえる。
なによりイタリア車好きには、現地の「国産車」を楽しむことのできる絶好の機会でもある。そんなイタリアのレンタカーレンタカーだが、最近はちょっと具合が以前と異なってきている。ちょっと前までは日本でもおなじみのイタリア車が存分に楽しめたのだが、ここに来て大きな変化が訪れつつある。

ディーゼルエンジンの大流行だ。

今イタリアでは7割近くの人がディーゼル車を買う。アルファだろうがなんだろうが、4人乗ることを考えたクルマはほとんどがディーゼルなのだ。

この風潮でちょっと困るのが「イタ車好き」。つまり、あの高回転をブン回す感じがディーゼルエンジンでは楽しめないのである。せいぜい4000rpmも回せばおしまいというエンジンは、「官能的なサウンド云々」とは程遠いものがある。
逆にマニュアル車を選んでも、2000rpm〜3000rpm周辺でのシフトチェンジが中心となる。つまり昔の「タクシー的」運転になってしまうのだ。

確かに昔と違い、ディーゼルエンジンが劇的に良くなった。
丈夫で長持ち、燃費は抜群。静かだし、臭くないし、低回転から野太いトルクが堪能できる…。
まあ、とにかく「移動」ということを考えると最高のシロモノなのだ。
エコとか地球環境とか、日本みたいに大それたことを個人が意識することはあまりない。
多くの都市で排ガス規制をクリアしていない車両が進入規制をされているという事実も大きく作用しているが(最近のディーゼルは極めてクリーン!)、それより重要なのは自身の「懐具合」つまり、お金なのである。

 

そうした現実が、官能的なエンジン音を楽しむのがイタリア車のお作法と思っている向きには、少々幻滅というか、あまりにもドライな彼らの割り切りに少々驚きを覚えるはずだ。

まあ、その辺の価値観については他の機会にお話するとして、ともかく最近レンタカーがディーゼルが多く、「スカッとした」ドライブが楽しめないのが、イタ車マニアの旅行者にはちょっと残念なのである。

さて、ここからが今回の本題。

ディーゼルの給油で、ちょっと気をつけなければならないことがある。

イタリアで軽油のことを「Gasolio」(ガゾーリオ)と呼ぶのだが、これ、結構「ガソリン」をイメージさせるのだ。今でも日本が「軽油」と表記しているところが多いように、「Diesel」と書いてくれれば問題ないのだが、未だに「Gasolio」と書いてあるところも多々ある。ちなみにハイオクなどは「Super」と表記されていることが多い。

せっかくのイタリア旅行。レンタカーでアルファロメオをゲットし、アルファ=ハイオクという固定概念が働き、見た目でガソリンを想像させる「Gasolio」を避けて無意識にSuperを入れてしまうことがあるそうで…。

ガソリン車の500ツインエアーに「Gasolio」を入れられたという話も聞きます。

その後どうなったかって?
ご想像におまかせします…。
みなさん、イタリアにお越しでレンタカーをご利用の際は「ガゾーリオはディーゼル、ガゾーリオがディーゼル」と念仏のように唱えてくださいね。
それではみなさん、また近々。
A prestissimo!