- イタリア好きが嵩じてついにはフィレンツェに移住までしてしまったCollezioneイタリア特派員Noriによる、「イタリアよもやま話」。
- ちなみに「Bollito Misto」とはいわば「ごった煮」のこと。
- 自動車、自転車、食事にワインやサッカーはもちろん、たまには真面目な社会的な?お話を勝手気ままにお届けします。
新年あけましておめでとうございます!
新年第一回は、やはり今年一番のお祭りになるであろうサッカーW杯を祝して、蹴球ネタにしたい。
私はフィレンツェに住み、フィレンツェという街と人々にお世話になっているので、当然地元フィレンツェのサッカーチームを応援している。
かつて中田英寿がローマに在籍し、スクデットを獲得した時のチームメイトだったヴィンチェンツォ・モンテッラ監督が率いるこのチームは、セリエAで台風の目ともいえる快進撃を続けている。
しかし、今回は我らがフィオレンティーナの話ではない。
本田圭佑のACミラン入りについて少々。
彼が素晴らしい選手であることは、私のような人間が今更語るべきことでもないだろう。ともあれ、今年のワールドカップでも日本代表を引っ張っていってほしいと切に願うばかりだ。
しかし、一体どれほどのサッカーファンが、かのACミランの背番号10を背負う日本人が現れると思っていただろうか?
ちなみにイタリアにおける背番号10の意味は大きい。
日本で馴染みのあるスポーツで、このイタリアにおける背番号10に近いものを説明したいのだが、ちょっとみあたらない。
チームの名実ともに支柱たる矜持と技術を持つものにしか与えられない背番号なのだ。
多くのサッカー選手に影響を与えた日本が誇るサッカーマンガ「キャプテン翼」じゃあるまいし、まさかまさかの日本人の10番である。
同胞として誇らしいばかりか、ちょっとウルウル来そうなレベルの話なのである。
「Honda」という名前の字面と響きがイタリアでは実になじみやすく、色んな意味でスポーツ紙を飾りやすいというメリットもある。
イタリア人にとってのHONDAは高性能バイクであり、「オンダ」という読みは波という意味があるので、いろいろ使いやすいこと請け合いだ。
イタリアも日本同様、スポーツ記事の一面は「洒落」を利かせるのが常套なのだ。
また、以前にも紹介したが、本田は関西人であることが追い風になると思う。なにせメンタリティがそっくりなのだ。イタリア人と。
代表でのチームメイトが宿敵インテルにいるというのは、これもちょっとすごい話だが、それでも彼にとっては慣れない土地での心強い味方になることは間違いない。
我らがフィオレンティーナは2014年緒戦が終わって、暫定の三位。来年のチャンピオンズリーグ出場権がかかっているので、是非とも頑張って欲しい。
だから、本田くんには絶大なる活躍を期待しつつも、我々の野望に絡まない程度の位置で甘んじて欲しい。
ともあれ、移住組にとってはここ数年日本に関する暗い話題が続いているのは実に悲しい限りだった。
他のアジアの製品に押され、以前ほどみかけなくなった「日本製」にも少々心をいためていた。
だから日本人選手の活躍は、外国で暮らす同胞にとってなんとも言えない心の励みになる。ミランというチームは紛れもなく世界的名門であり強豪である。そこでの日本人の活躍は世界で頑張る日本人の鑑になることは間違いない。
彼の健闘と6月のW杯での活躍を祈る。
それではまた近々
A prestissimo!