イタリアよもやま話〜Bollito Misto vol.17

イタリア好きが嵩じてついにはフィレンツェに移住までしてしまったCollezioneイタリア特派員Noriによる、「イタリアよもやま話」。
ちなみに「Bollito Misto」とはいわば「ごった煮」のこと。
自動車、自転車、食事にワインやサッカーはもちろん、たまには真面目な社会的な?お話を勝手気ままにお届けします。

 

 

 

 

 

 

 

記録的猛暑の日本とオサラバし、戻ってまいりましたイタリアへ。
日本で何が足りなかったかといえば、やはり笑顔だなあと空港につく度思う。
飛行機の中が煩いのも「帰ってきた感」を増幅させるが、まあ、旅行なんだし
楽しいほうがいい。みんな笑顔だ。

 

 

 

空港内のバスに子供が乗っていようものの、みんなで「カワイイ、カワイイ!」のお祭り騒ぎ。これもいいもんだ。子供は笑顔で育つようなものだしね。
日本で何度ベビーカーに激突されたか。その度、お母さんの般若のような顔が恐ろしかった。

 

 

 

思えば遠くへ来たもんだとは昭和の歌だったか、カラッとした太陽と、メラニン全開のコゲコゲギャル&レディに囲まれて、8時でもまだ明るいバールでプロセッコをやるたび、「ああ、俺、生きてるなあ…。」と思うのだ。

 

 

 

人生を楽しむすべはイタリア人に訊けば良いと、昔世話になった先輩に教わったことがあるが、まさにその通りだ。
不景気なのは確かだが、一体どこから来るんだろうか?この「余裕」というか円熟感は。小麦色というにはいささか珈琲色くらいな日焼けは、イタリア人の夏のステイタス。美白は美白で綺麗だけど、やっぱり夏は太陽をどれだけ満喫したかで勝負は決まると思う。

 

 

 

 

 

今年のイタリアの海岸線は結構な例年に比べかなり閑古鳥だったと聞く。たしかにこういうところに不景気の波を感じることができる。
が、街にはしっかり小麦色の肌が氾濫している。ご近所さんなどまだまだ帰還率40%だ。つまり、夏はどこかに行っちゃうのだ。
ニュースキャスターまで寝間着のような格好で日焼けをアピールしてる。
必ずしも高級な海岸ではないだろうが、とにかくそういう見栄だけは絶対に欠かさない。これって大事なことだと思う。

 

 

 

熱血日本人として休み返上で働いた身としては、完全なる恨み節になっちゃうので、クラゲ覚悟で今からでも海水浴に行こうかと思っている。
こういうところが日本人だなあ、とちょっと自己嫌悪。
まあ、いいや、すっかり休眠状態のスパイダーで海に向かうとする。
それではまた、近々

A prestissimo!