イタリアよもやま話〜Bollito Misto vol.10

イタリア好きが嵩じてついにはフィレンツェに移住までしてしまったCollezioneイタリア特派員Noriによる、「イタリアよもやま話」。
ちなみに「Bollito Misto」とはいわば「ごった煮」のこと。
自動車、自転車、食事にワインやサッカーはもちろん、たまには真面目な社会的な?お話を勝手気ままにお届けします。

 

 

 

 

 

 

 

いよいよ夏本番。
イタリアから仕事という言葉が消えていく…。
どいつもこいつも突然居なくなる。
住人たちの路上駐車が急に減るのがその合図。
みんな我先に海へ山へと消えてしまう。
そのお陰で街が温暖化されないという考え方もできる。のかも?

 

 

一方、高速道路には日に日に後方視界ゼロのファミリーカーが増える。
これ以上は荷物は積めないだろう?と言いたくなるような積載のクルマで溢れかえる。
何が不景気だ。どいつもこいつも遊んでんじゃねえか?
思わず独り言をつぶやく高速走行。

 

ヨーロッパの夏休みというと、日本のそれとは大きな違いがある。
誰もが当然の権利として、また天の恵みに預かるという意味でも、あまりにもあっさりとお休みをとる。
日本の感覚からは想像ができない。
休み=誰かが困るでしょ?
こういう考え方の民族なのだ、我々は。

 

 

一方こちらじゃ、
「太陽がこんなに強いんだから、浴びるでしょ? 短い人生、美しく生きましょ!」
私はこれに激しく同意したい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ルマン、ツール・ド・フランス、F1グランプリのヨーロッパラウンド etc…

 

なぜにこれほどイベントもりだくさんなのか?
平日日中にも溢れかえる民衆たちは一体なにをしているのか?

 

そう、誰も仕事なんかしちゃいないんです。

 

だから最近、こう思うんです。
エコだなんだと偉そうに言う前に、暑い夏は皆で休んじゃってもいいんじゃないかと。
ヒートアイランド現象なんか、あっという間に解消じゃないでしょうか?

私達が血道を上げて守ってる(たぶん)世界の経済は、私たちの健康なんか完全無視だってことを、欧州の皆さんはよーくご存知です。
「あと何回夏がくると思ってんだ? お前の人生にさ。」
そう言われると無言になるしかありません。

 

 

世界のGDP順位など、日本の後塵を拝むことすらできないほどの国でありながら、
一体この目に余る「豊かさ」ってどこから来るんでしょうか?
少なくともそれが、ガムシャラに働くということでないことだけは確かです。

 

 

あ〜、またしても夏のバカンスネタに終始する始末。
ともかく、さあ、みなさんも梅雨も開けたらカッコいいスパイダーでも駆り出して、海や山で「夏の太陽」をどうか存分にご満喫ください!

 

 

それではまた、近々

A prestissimo!