
©Black Sabbath / Back to the Beginning
オジー・オズボーンが亡くなった。
ハードロックやヘヴィメタルに興味のない方には、まったくもって関心外の話かもしれないけど、個人的な思い出があるので、少しだけ。
彼がどれほどロック界のあらゆる人達から愛されているかは、ネットの記事などをご覧いただければ、すぐに分かると思うので、ここでは割愛したい。
ハードロック、ヘヴィメタルというのは、聞き手を選ぶというか、ある種のマニアックさもともなうジャンル故に、ポップス的なメジャーな認知というのはとりわけ日本においては希薄かもしれない。
それでも彼の死が日本のTVニュースで扱われたときには少々びっくりした。

私のオジー体験は1982年、彼がブラック・サバスという名門バンドのフロントマンを解雇された後、失意の中からソロとして復活した頃。
最初は、ちょっと「頭のいかれた感じ」のジャケットがちょっと受け付けなかったのだが、バンドを始める頃に、ついに彼のライブに行くことになった。
上半身裸の、ややもするとだらしない体型の彼がステージに出てきて、「Everybody! I love you!!!」的な叫びをした瞬間、何か精神のタガが外れたのをよーく覚えている。
なにか彼の声には超音波的な要素があるのかもしれない。やおら気づけば、絶叫を繰り返し、やがて喉は枯れ、全身汗だく…。
それこそ黒ミサに参加し、その場で入会してしまったような見事なまでの洗脳っぷりをしっかり体験した。
ノリノリのロックンロールというものは確かに存在するのだが、彼のステージにはそれこそ魔力があったとしか思えない。気づけばみんな「ヤラれてる」という感じ。
あの感動と衝撃は未だに忘れられない。依頼、すっかりオジーの大ファンだ。
何年か前に久しぶりに家内を連れてオジーのライブに出かけようとチケットを取ったが、彼が後の活動休止の原因ともなってしまう怪我による来日キャンセルとなり、結局のところ、日本のファンたちにとっては、再びその勇姿を拝むことなく魔界へお戻りになってしまわれた。
彼がなくなる2週間前、生まれ故郷であるバーミンガムで「Back to Basic」というブラック・サバスのサヨナラコンサート(フェス?)が開かれた。(TOPの画像がそれ)
多くのゆかりのあるミュージシャンたちや、オジーやサバスを尊敬する面々、たとえばメタリカやエアロスミスのスティーブン・タイラーなどのウルトラビッグネームたちが集まり、トリビュートバンドが組まれ、なんと10時間にもわたるコンサートを開いたのだ。
それだけでもオジーの魅力がわかろうというものだけど、それに加えて、パーキンソン病で立つこともままならないオジーが、悪魔の王座というか玉座というか、とにかく派手な椅子に座り歌うという贅沢なもの。
まだまだいけるじゃん、元気で良かった!
あわよくばオジー単体での来日だってあるんじゃないか?
なんて、ホクホクしながらそのサヨナラコンサートをYoutubeで見ていたのだが…。
その後すぐに亡くなってしまうなんて、本当に悲しい。
Prince of Darknessと呼ばれた、彼の別れ際にふさわしいといえばふさわしいかっこよさではあったが…。
いよいよ、ビッグネームとよばれるレジェンドミュージシャンたちが鬼籍に入る時期がやってきてしまった…。
果たして、この先心が持つのであろうか…。ちょっと心配になってきた。
それではまた近々…。
A prestissimo!!